社長ブログ

2022/10/04

仕事における想像力の必要性

仕事における想像力の必要性

私たちの仕事は、数の多寡はさて置き、人と関わってモノゴトを進め、決め、創って、諮ってを繰り返し、何らかの成果物を生み出すことです。自分以外の他者が1人の場合もあれば、10人が関わる場合もあり、いずれにしても1人で仕事が完結するような仕事ではありません。

この過程では当然多くのコミュニケーションが交わされます。リアル&リモート面談、電話、メール、チャット系ツールなど現代の数多くの手段を通じてやり取りが成され、そのトランザクション数と言ったら数十人クラスの組織であっても相当な数字に上るだろうと想像します。

ではコミュニケーションの数が増えれば、コミュニケーションの質、それに伴う仕事の質や生産性の向上といったことにつながるかと言えば、必ずしもそうではないでしょう。コミュニケーションの数量は横に置いたとして、質や生産性などを上げるためには何が必要なのか?また仕事を獲得してカタチにするための確度と実効性を上げるためには、どんなことが求められるのだろうか?私が社内で話しをするのが、タイトルにもある「想像力」です。

私たちの仕事であれば、創造力と言いたいところですが、ここで必要な素養はクリエイティビティではなくイマジネーションなのです。

面談での会話の内容も、メールの文章も、聞いた通りの書いてある通りの額面通りに受け止めるのは、当然しなければならないことでしょう。ただ、人の言動や表情といった表面に見て取れるものは、必ずしも情報や思惑の全てを表しているとは限りません。これは、相手が意図して表現しないこともあれば、ただ単純にその時に表現し忘れていることもあり、見て取れる情報だけが全てではないということは、何となく想像できると思います。こうした前提があれば、普段のコミュニケーションにおいて相手の表現を額面通りに受け止めるだけでは、実は不十分だということが分かります。

つまり、面談での発言、メールの一文を拾い上げ、これはどういうことなのか?なぜこう書いているのか?と感じることが第一歩、そして次に、「きっとこういうことだろう?」「もしかしてこれを言いたいの?」という仮説を持ちながら会話やメールを自ら広げていくことで、相手の持っている情報や想いといったものを聞き出すことができるのです。これは、職種によらず、営業でもデザイナーやライターやフォトグラファーといったクリエイティブでも、想像力を大いに駆使して仮説を立てながら仕事を進められるか否かで、仕事を獲得する実効性も、カタチにしていく過程の生産性や仕上がりのレベルは変わってきます。

逆の立場にあれば分かると思いますが、例えば「もっと聞いてくれたら話してあげるのに」と少し勿体ぶったケースも、「そう言われるとそうかもね」と投げられた質問に回答することで自分の考えがまとまったりすることは、誰しも経験したことがあると思います。情報を出す側も、実は相手に聞かれることで気付かされることも多くあり、その結果、良いモノを生み出せたりもします。立ち位置を置き変えて「想像」してみるとコミュニケーションの見直しに役立つかも知れません。

1つの情報を得るだけで立ち止まらずに、なぜ?この発言の理由は?このリクエストの背景は?と少し疑問を抱き、さらに聞き出し、想像し、仮説を立てる。こんなフローを身に着けると、平面的なメールの文字や、手に取ることのできない口頭での発言も、より立体的で奥行きのあるコミュニケーションとなるでしょう。

と同時に、何だかいつも穿った見方してるよなあ、斜に構えてるよなあ、と自分でも思わなくもなく、気疲れすることもあるのですが・・・。

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