社内報コラム

Web版社内報のファン獲得 アイデア7選

Web版社内報のファン獲得 アイデア7選

社内報を運用で紙やWeb、動画など、複数のツールを用いる場合、情報やコンテンツのすみ分け方を考える必要がありますが、読まれるWeb版社内報や愛されるWeb版社内報にするといった点で、ぜひ取り入れていただきたい考え方や取り組み方があります。それが今回お伝えする「作り手と読み手のコミュニケーション」。今回はそれを実践するためのアイデアをご紹介します。

 

読者の「見たい」という意欲づくりが最大の壁

紙版社内報は、全従業員が望んでいるか否かに関わらず、一般的には全従業員の手元に届けられるため、あまり関心がない人の目にも触れさせることが可能ですが、Web版社内報は、従業員の「見よう」という意識や意欲がなければ、読まれるかどうか以前に目に留まることさえ叶いません。

それがWeb版社内報運用の最大の課題であり、立ちはだかる壁となる点は、紙版社内報が、手配りチラシのような機能を持ち備えていることに対して、Web版にはそのような機能がないため、読者である従業員の「見たい」という意識や意欲をつくらなければならい点なのです。

 

Web版社内報は「お店」のようなツール

紙版が持つ手配りチラシ機能とは、「これは面白いですよ」「これはあなたの役に立ちますよ」といった感じで、もともと興味や関心がなかった、あるいはその存在すら知らなかった方に、「そんなのがあるんだ」と気づかせたり、「なんとなく面白そうだ」「役に立ちそうだ」と、興味や関心を持っていただけるといった効果があります。

一方、Web版は、コンセプトを持ったお店やECショップのようなツールで「相手が望んでいるか否かに関わらず目に留まらせることはできる」といった機能はありません。

 

お店は「作っただけ」ではお客さまに来ていただけない

お客さまが必要とする商品や魅力的な商品がたくさん揃っていても、お店にはなかなか来てくれません。それはなぜか? そういった商品の多くは他店でも手に入るからです。そればかりではなく、お店をつくっても、その存在が知られていなければ、お客さんに来ていただくことは叶いません。そのお店で買う価値や意味を、お客さまに感じていただけることがはっきりしていなければならないのです。

 

Web版の社内報の目指す姿は「コンセプトショップ」

では、お客さまにリピートしていただけるお店とは。

それは、お客さまを理解し、ニーズや期待に応え続けるお店ではないでしょうか。

それだけではなく、お客さまからもそのお店が自分自身にとって欠かせない存在だといった認知やイメージを持っていただけているお店です。

つまり、お客さまのニーズや期待に応えるだけではなく、しっかりとしたコンセプトを築いて示し、お客さまとの関係づくりやコミュニケーションを行っているお店こそが、お客さまがファンになり、リピートしていただけるお店なのです。

そういったお店を「コンセプトショップ」と言いますが、Web版社内報で目指す姿も同様に、一過性の読み手を獲得し続けるだけではなく、読み手である従業員の皆さまをファンにして、何度も読みに来ていただけるリピーターにすることこそが、成功と言えるのではないでしょうか。

 

作り手と読み手とのコミュニケーションがカギ

では、Web版社内報をコンセプトショップのようにするために、何をすれば良いのか。

それは、記事の内容や表現を工夫するだけではなく、ツールの意図や従業員の皆さまにとってのお役立ちポイントを、積極的に「伝える」ということです。そして、従業員の皆さまのニーズを取り入れたりしながら、ファンやリピーターへと「育てる」といった考え方を、運用や記事づくりに取り入れていくこと。

つまり、「作り手と読み手のコミュニケーション」こそが、読まれるWeb版社内報をつくるカギとなります。

 

読者をファンやリピーターにするアイデア7選

前置きが長くなりましたが、ここからは読者をファンやリピーターにするために、「すぐに取り入れられる」という点に絞った企画や取り組みのアイデアを7つ厳選してご紹介します。

1.行ってみた・やってみた企画
2.「中の人」コンテンツ・コメント
3.取材のこぼれ話・編集後記
4.ダイレクトヒアリング
5.二択アンケート企画
6.お気に入り紹介企画
7.アイデアやネタの募集企画

1.行ってみた・やってみた企画

これは社内報担当者が職場や現場などを訪れたり体験したことを、担当者視点から紹介する企画です。職場や現場の人や業務を紹介する際に、単に紹介するだけではなく、読み手の代表として自身が感じた印象や、見たり聞いたりして感じたことを体験談として記事にすることで読者との共感性も高く、ワクワク感のあるコンテンツにすることができます。

2.「中の人」コンテンツ・コメント

SNSでも人気の「中の人」によるコミュニケーションコンテンツをWeb版社内報に取り入れるアイデアです。先に紹介した「行ってみた・やってみた」企画と同じく、読み手である従業員の皆さまと作り手のコミュニケーションを図る企画ですが、これを行う意味は主に二つ。一つは作り手の存在を示すということ。作り手を感じない記事は無味乾燥なものと捉えられやすいのですが、そこに作り手の存在を感じていただけるようにすることで、色や味のある記事にしていくことができます。もう一つは、記事が一方的な発信ではなく、対話的な双方向性を感じる記事にできることです。方法としては中の人、つまりご担当者を主語にした編集を取り入れる企画や、記事の中にご担当者の感想などを組み入れるなどがあります。

3.取材のこぼれ話・編集後記

このアイデアは「中の人」コンテンツ・コメントと同じような考え方ですが、ポイントは取材をしたり記事を作成して感じたことを、率直に読者である従業員の皆さまにコミュニケーションすることです。社内報制作は他の従業員の皆さまが行ったり聞いたりすることができないことを、従業員の皆さまに代わって行ったり聞いたりする仕事だと言えます。また、従業員の皆さまにわかりやすく、興味深く伝える仕事でもあります。その中で得た感覚や、記事の本質とはズレるので、文章にはできなかったことも、従業員の皆さまにとっても貴重な情報ですので、ぜひ共有していただければと思います。

また、Web版社内報には動画を組み入れることも容易ですので、注目記事や特集などについては、その編集後記を動画で見せると、文章だけでは伝えづらい感覚も含めて、読者にコミュニケーションすることができます。

4.ダイレクトヒアリング

これは取り組み方のアイデアです。従業員の皆さまに社内報ファンになっていただくためのカギは、従業員の皆さまと作り手のコミュニケーションにあるとお伝えしました。ここまでにお伝えしたその方法は、記事を通じてコミュニケーションする方法でしたが、ダイレクトヒアリングは従業員の皆さまと直接行うコミュニケーションの取り組みです。方法はいろいろありますが、簡単に行える方法は、取材時など、従業員の皆さまと直接会う機会を活かして、従業員の皆さまに感想や要望を聴くことです。Web版社内報は、従業員の皆さまの期待やニーズを、データで読み取ろうとしますが、データは本来、仮説を立てるための情報です。その仮説の検証は仮説に基づいて新しい記事をつくって反応を見るか、あるいはその仮説をもとに直接聴くかの二つ。なかでも直接聴くということは、社内報のレベルアップに極めて有効ですので、是非取り組んでいただければと思います

5.二択アンケート企画

ここからはファンになっていただいた従業員の皆さまに、リピーター、あるいはパートナーになっていただくための企画のアイデアです。

その最初のアイデアは「二択アンケート」。この企画は社内報に限らず話題になりやすく、あるお菓子メーカーの「きのこvsたけのこ」論争など、社会現象と言えるくらいの話題を生んだ企画もあります。

このように、「どっちが好き?」といったテーマや、「あなたはどっち派?」といったテーマでアンケートを行い、その理由やこだわりのポイントなども含めて募って紹介します。

6.お気に入り紹介企画

このアイデアも従業員の皆さまに参画していただき、Web版社内報を活性化させる企画です。方法としては、定期的に「お題」を設定して伝え、コメント機能で回答していただきます。そのお題は例えば「好きなラーメンの種類は?」、「好きな季節は?」、「影響を受けた映画やドラマ、マンガは?」など、従業員の皆さまの「好き」をテーマに考えて設定します。

7.アイデアやネタの募集企画

最後は従業員の皆さまにWeb版社内報の企画のアイデアや記事にするための情報を募る企画です。Web版社内報は、ご意見や感想を募るための枠やリンクを設けることが一般的ですが、このアイデアはその枠ではなく、他の企画と同じようにコンテンツ企画の一つとして実施します。

ただ、この企画を行うためには条件があります。それは、読者である従業員の皆さまとのコミュニケーションがしっかり行えていたり、従業員の皆さまのニーズや期待に応えていること。それらが十分に行えていない段階では、投稿していただける数は非常に少ないのが一般的です。

そこで、条件が整っていない段階でもできる方法を取り入れます。その方法とは、アイデアやネタを見つける方法を示して「教えてください」といったスタンスで募集すること。例えば「テレビ番組を参考にした企画のアイデアを教えてください」や、「社内報でもできそうな企業がやっている面白いキャンペーン企画を教えてください」といったような方法や内容で募集します。

まとめ

お伝えしましたように、Web版社内報はチラシではなくコンセプトを醸し出すお店として「育てる」という感覚や考え方が必要です。社内報は原則的には会社から従業員に向けて、意図を持って設置するツールです。担当者は、たくさんの従業員に読まれ、愛されるツールにするために、経営者をオーナーとするお店だと捉え、そのお店のマーケッターやマーチャンダイザー、ブランドマネージャーとして、ツールの意図、つまり発行目的に基づいてお店をブランディングし、お店のお客さまである従業員の皆さまと関係性を築き、ファンにしていくことが求められます。今回お伝えした内容が、従業員の皆さまに読まれ、愛され、従業員の皆さまから「なくてはならないツール」だと言っていただけるようなWeb版社内報になるきっかけになれば嬉しいです。

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