社内報コラム

読まれる社内報にするための企画力の要点

読まれる社内報にするための企画力の要点

読まれる社内報にするためにも、読者を飽きさせないようにするためにも、社内報のマンネリ化を防ぐためにも、企画力は社内報の担当者として欠かすことができないスキルと言えます。

ところが、市販されているテキストやWebで紹介されている企画力を高めるノウハウは多く、範囲も広いものの、社内報に特化した内容は極めて少ないため、何から手を付ければ良いのか、どのように応用していけば良いのかとお悩みのご担当者は多いのではないでしょうか。

そこで、今回は、具体的なテーマを事例にしながら、「これだけおさえておけば社内報の企画力に関するあらゆる情報を応用していけるポイント」についてお伝えします。

「目のつけどころ」こそが企画の要

読まれる社内報にするためには、企画の「切り口」の鋭さや鮮やかさがポイントだと耳にされた方は多いのではないでしょうか。

切り口とは社内報で取り扱う問題や伝えるテーマの断面や断片のことですが、鋭い切り口や鮮やかな切り口を導き出すためにも、まずは何のどの部分を切り取るのか、つまり問題やテーマに対する「目のつけどころ」を見つける必要があります。

この「目のつけどころ」のことを着眼点と言います。

冒頭でお伝えした、「これだけおさえておけば企画力に関するあらゆる情報を応用していけるポイント」とは、問題やテーマに対する目のつけどころである「着眼点」を指しています。

そして、着眼点こそが企画の内容や精度を左右する、つまり読まれる社内報に仕立て上げるための最大の分岐点で、企画の要となるポイントなのです。

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着眼点と切り口は相互的な主従関係にある

読まれる社内報にするための企画は、切り口と着眼点を考えることが必要だとお伝えしましたが、「何に目をつけるのか」という着眼点と、「どのように切り取るか」という切り口は、相互的な主従関係(主が着眼点、従が切り口)にあります。

どれだけ鋭く鮮やかな切り口を考える発想力や知識を持っていたとしても、この関係を理解していなければ、あるいは主である着眼点を考えていなければ、その企画は読者を惹きつけるまでには至らないものになってしまう可能性があるのです。

「直接コミュニケーションをとる機会が減っている問題」を社内報でどう取り上げるか

分かりやすくお伝えするために、「働き方の多様化が進むなかで、さまざまな部署で従業員同士が直接コミュニケーションをとる機会が減っているという問題」を例に考えてみましょう。

切り口だけでは、効果的かどうか判断できない

この問題に対して切り口から考える場合、オンラインによる日常的なコミュニケーションを切り口にして、その機会を設けている部署を紹介する企画や、最新のコミュニケーションツールを切り口に、ツールの活用方法を紹介するアイデアが浮かんできます。

これらの切り口のアイデアはいずれも、従業員の皆さまの役に立つ記事になる可能性があり、非常に効果的だと感じます。また、このように一つの問題に対して複数の切り口を思いつくことは、企画力という点では非常に有効なスキルやセンスでもあります。

ただ、これらのアイデアが「読まれる社内報にする」ために効果的な切り口なのかどうかについては判断ができません。その理由は、先ほどお伝えしたように、相互的な主従関係の主である「着眼点」を具体化していないからです。

その問題は本当に社内報としての「問題」なのか?

では、役に立つ内容であると同時に、読まれる社内報にする着眼点について考えるにあたって、もう一度、先ほどの「働き方の多様化が進むなかで、さまざまな部署で従業員同士が直接コミュニケーションをとる機会が減っているという問題」に立ち返ってみます。

この例題には、良い企画を立てることを妨げるポイントが隠されているということにお気づきでしょうか。

そのポイントとは最後の「問題」というキーワード。

どういうことかと言うと、「従業員同士が直接コミュニケーションをとる機会が減っている」ということを「問題」と考えたために、「社内報としてとらえる問題」として改めて考えることなく、思考が止まってしまった可能性があるのです。

実はこの「問題」、社内報を考える上で正しくは「問題」ではなく「状態」なのです。

確かに組織運営という観点でこれは「問題」なのですが、それを社内報という機能レベルで考えると、それは問題ではなく現在の「状態」なのです。

そして、その「状態」に対して社内報が問うべきお題、つまり「社内報で解決するべき「問題」」は何かを改めて考える必要があるのです。

先ほどお伝えした切り口にもの足りなさを感じたのは、この点が抜け落ちているからだと考えられるのです。

社内報の問題はタテヨコナナメの関係性から考える

では、ここからは先ほどの「従業員同士が直接コミュニケーションをとる機会が減っている状態」に対して「社内報として何を問題とするのか」、つまりその「状態」に対する「着眼点」は何かについてお伝えしていきます。

ポイントは、社内報はタテヨコナナメの関係性の問題や課題に対応するツールだということ。この点を踏まえると、現在の「状態」に対する従業員を起点とするさまざまな関係性のなかで想定される解決すべき問題こそが社内報の着眼点となります。

つまり、上司や同僚との関係、仕事への意欲、会社に対するロイヤリティ、他部署・他部門も含めた会社全体に対する意識などに対して、「従業員同士が直接コミュニケーションをとる機会が減っている状態」を、従業員がどのようにとらえているかを考えるのです。

このように考えると、自分自身が感じている問題意識も、より良い着眼点を見つける大きなヒントとなり、それを糸口に社内報で対処すべき問題が何かを考えることができます。

読者は新鮮な着眼点に惹きつけられる

さらに意識しておきたい重要なポイントは着眼点の「新鮮さ」。

着眼点の新鮮さとは、たくさんの人が解決したいと考えていることに対して、「その手があったのか」と感じられるような新しい視点や考え方、あるいは意外性があるけれども違和感がなく、多くの人から納得感が得られるとらえ方などのことです。

先ほどの「従業員同士が直接コミュニケーションをとる機会が減っている」状態に立ち返ると、確かにこの状態はこれまでの組織という人と人との関係や従業員の意欲との関係と照らし合わせたときに、不都合な状態なので解決したくなりがちです。

けれどもその一方で、これまでは気づかなかった仲間のありがたみなどに気づける機会を提供してくれた状態とも解釈することはできないでしょうか?

「直接コミュニケーションをとる機会が減っている」ことの社内報企画の着眼点と切り口

ここまでを整理すると、「従業員同士が直接コミュニケーションをとる機会が減っている」という解決したい問題や状態は、実は従業員同士の絆を強くする機会に活かせる状態でもあるという考えが着眼点となります。

そして、「この状態は仲間のありがたみを感じられる機会だ」とメッセージを含むためにはどうすれば良いのかを考えることが、切り口を考えるということになります。

その結果、読み手である従業員の皆さまに、この状態に対する新鮮な視点を提供することにつながり、さらには元々の問題である「従業員同士が直接コミュニケーションをとる機会が減っている」ということを、問題ではなくみんなにとってのチャンスに変えられるという、鮮度の高い企画にすることができると考えられます。
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まとめ

企画力を高めるためのノウハウは幅広く奥深いものですが、社内報に限らず、基本は誰かからの問いかけや、役割として問われているさまざまなことに対して、何に着眼してどのような切り口でカタチ(社内報の場合は記事の内容や展開)にするのかを考えることが企画そのものと言えます。

この考え方を軸にして、企画のさまざまなテクニックや、発想のタネとなる情報などを取り入れていけば、きっと従業員の皆さまにとって欠かすことのできない社内報にしていくことが可能になっていくと思います。

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