社内報コラム

2021/04/27

SDGsをわかりやすく解説! 広報が知っておきたい基礎知識

SDGsをわかりやすく解説! 広報が知っておきたい基礎知識

SDGs(エスディージーズ)という言葉を近頃よく目にするものの、詳しい中身については本当のところよく知らない…という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、広報担当者が「今さら聞けない(?)」SDGsの基本的な知識や目的、CSRやESGとの違い、日本での現状、企業がSDGsを導入する際の指針などについてまとめてみました。

SDGsはすべての国が協力して達成すべき地球規模の目標

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年の国連サミットにおいて全会一致で採択された目標です。

2016年から2030年までの15年間で、国連に加盟するすべての国が達成すべき17の開発目標と169のターゲット、232の指標が設定されています。


まず17の開発目標とは次の通りです:

1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
6. 安全な水とトイレを世界中に
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任 つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう

この17の目標を2030年までに、「地球上の誰一人として取り残すことなく」実現を目指すのがSDGsです。

そして各目標にはそれぞれターゲットが紐づいており、例えば目標1「貧困を失くそう」には、「1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」をはじめ、7つのターゲットが定められています。

また、個々のターゲットにはKPI(重要業績評価指標)が設定されています。例えば上記ターゲット1.1の指標は「1.1.1 国際的な貧困ラインを下回って生活している人口の割合(性別、年齢、雇用形態、地理的ロケーション[都市/地方]別)」となっています。

17の目標とそれぞれのターゲット・指標については、外務省ホームページ内のJapan SDGs Action Platform(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/statistics/index.html)にまとめられています。これらに目を通すと、SDGsとの関わり方がイメージしやすくなるでしょう。

開発途上国向けのMDGsから世界共通のSDGsへ

SDGsの前に、各国が協同で取り組むべき目標として2000年の国連会議で採択されていたのが、MDGs(ミレニアム開発目標:Millennium Development Goals)です。

MDGsは主に開発途上国を対象にしたもので、2015年を期限として8つの目標(①貧困・飢餓の撲滅 ②初等教育の完全普及の達成 ③ジェンダー平等や女性の地位向上 ④乳幼児の死亡率削減 ⑤妊産婦の健康の改善 ⑥疾病の蔓延防止 ⑦環境の持続可能性の確保 ⑧開発のためのグローバル・パートナーシップの推進)を掲げていました。

達成状況を示した報告書によれば、開発途上国における極度の貧困の半減や、HIV・マラリア対策などで一定の成果を収めたものの、乳幼児や妊産婦の死亡率など未達成の課題も多く残りました。そこでMDGsが期限を迎えた2015年に、開発途上国・先進国を問わず、世界全体が取り組むべき新たな目標として策定されたのがSDGsです。

MDGsが政府や地方自治体など行政の努力を念頭に置いていたのに対し、SDGsは企業やNPO/NGOなど民間セクターも含む、地球上のすべての人・組織による取り組みを求めています。

特に企業に対しては、投資やイノベーション創出などの点で大きな期待が寄せられています。

CSR・ESGとSDGsの違いとは?

企業による社会的な取り組みという点では、CSRやESGと似たような印象を持つSDGsですが、この3つはそれぞれどう違うのでしょう?

CSR(Corporate Social Responsibility/企業の社会的責任)は、企業が社会と共存していく上で果たすべき責任は何か、という概念です。そのため慈善活動やボランティアなど、企業の業績や成長性に直接結びつかない活動も含まれます。

ESG(Environment・Society・Governance/環境・社会・ガバナンス)は、企業の長期的な成長に欠かせない3つの要素を表す言葉であり、近年では財務情報と並ぶ評価・分析指標として注目されています。経営側の視点(ESG経営)だけでなく、投資側の視点(ESG投資)から語られる機会も多く、企業にとっては「戦略」に関わる概念と位置付けられます。

SDGsは、企業のみならず政府や行政も含む国全体で取り組むべき地球規模の「目標」です。SDGsの目標達成に貢献できるような事業活動を行うことは、企業にとっても新規市場の開拓や事業機会創出、社会的評価の向上などにつながるため、取り組みの点でSDGsとESGは重なる部分も少なくありません。

ただ、「環境・社会・ガバナンス」にフォーカスしたESGより、地球規模の「目標」であるSDGsの方が活動の規模と範囲はかなり大きく広がっています。


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日本のSDGsと企業

日本政府は、2016年に総理大臣を本部長とするSDGs推進本部を設置。「社会・ジェンダー平等の実現」「健康・長寿の達成」「生物多様性、森林、海洋等の環境の保全」など8つの優先課題を掲げた「SDGs実施指針」を策定しました。

そして課題の解決には政府や自治体の取り組みだけでなく民間の協力が不可欠なため、優れた取り組みを行っている企業や団体を表彰する「ジャパンSDGsアワード」を設立するとともに、課題解決への具体的な施策を記した「SDGsアクションプラン」を発表しました。

アクションプランはその後も毎年更新され、政府のSDGs施策の要となっています。たとえば最新版のアクションプラン2021(2020年12月公表:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_Action_Plan_2021.pdf)では、「コロナ禍からの『よりよい復興』と新たな時代への社会変革~」がサブテーマに掲げられるなど、最新の社会動向を踏まえた指針になっています。

そのためSDGsに取り組もうとする企業は、この動きをおさえておくことが必要です。

SDGコンパスの活用

ところでSDGsを経営に導入したいと思っても、具体的にどのように進めていけばいいのかわからない企業も多いでしょう。
そんな企業の拠りどころになるのが、国際的NGOであるGRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)、国連グローバル・コンパクト、WBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)の3団体が共同で作成した「SDGコンパス」です。

SDGコンパスには企業がSDGsに取り組む際の指針が示されており、次の5つのステップで構成されています。

1. SDGsを理解する

2. 優先課題を決定する

3. 目標を設定する

4. 経営へ統合する

5. 報告とコミュニケーションを行う

詳細を記した全30ページの冊子はSDGコンパスの公式ホームページからダウンロード(https://sdgcompass.org/wp-content/uploads/2016/04/SDG_Compass_Japanese.pdf)できますので、興味のある方はぜひご一読ください。

まとめ

2017年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で、「SDGsの推進により全世界で12兆ドル(約1,400兆円)の経済効果と、3億8千万人の雇用創出が可能になる」との推計が発表されたのをきっかけに、SDGsは経済界でもっともホットな課題のひとつとなりました。

業種や事業規模に関係なく、今後の企業経営においてはSDGsを避けて通ることはできません。そして円滑にSDGsを事業活動に導入するには、社員一人ひとりへの情報の浸透、及び十分な理解と協力が不可欠であり、社内広報が果たす役割はますます重要さを増していくことになります。

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