社内報コラム

社内報を通じて「誰もが誇れるJFEスチール」の実現を目指す <JFEスチール様 広報室インタビュー>

社内報を通じて「誰もが誇れるJFEスチール」の実現を目指す <JFEスチール様 広報室インタビュー>

2016年にWeb版の社内報を導入、2019年4月には紙版の社内報をリニューアルされたJFEスチール様。今回、総務部広報室 室長 俵英嗣様(写真前列左)、主任部員 小山香衣様(写真前列右)に、リニューアルの経緯やWeb版・紙版に対する社内の反応、今後の展開などをうかがいました。

紙とWebの特性を生かし、ターゲットに合わせた情報を発信

Q1 社内報のリニューアルを決定されたのは、どんな理由からですか?

俵様:紙版の社内報は以前からありましたが、どちらかというと会社の情報を正確に幅広く伝えることを目的としたものでした。その目的にはある程度達したので、これからは本社・支社、製鉄所・製造所、研究所、海外拠点などさまざまな職場、立場で働く社員みんなの心に響く、感情・情感に訴える社内報にリニューアルしたいと考えていました。

またこの10年ほどで、若手、女性、外国籍の社員が増え、社内のダイバーシティが進んできていました。多様な価値観を尊重しつつ、向かう方向は合わせていきたい、そのために社内報というメディアは重要なツールだと思ったのです。

デザインも親しみやすくおしゃれに変えて、気軽に手にとってもらえるように、イメージチェンジを図りたいという目的もありました。

Q2 紙とWeb、それぞれの社内報の役割や重要性の違いはどんな点にありますか?

俵様:Web版の社内報は2016年に立ち上げました。一般的に紙からWebへシフトする時代の流れはあると思いますが、当社には、製鉄所など製造現場での仕事に従事する社員が数多くいます。現場ではパソコンでWeb社内報にアクセスするのはなかなか難しいので、現業系の社員やその家族に向けての発信は、やはり紙に印刷した、手に取ることができる社内報である必要性があります。

一方でWeb版には、毎日更新できる速報性や、社員がコメントを書き込める双方向性など、紙版にはない特徴があります。

Web版にコメント欄を作った当初は、おっかなびっくりでした。“炎上”などのリスクも想定して、実は幹部のページのコメント欄は閉じていました。でも、昨年「クローズドにするのではなく、広報としてネガティブなコメントも含めて受け入れたい。幹部の人にも社員の声を受け入れていただきたい」という想いで、幹部の記事・メッセージに対してもコメント欄を開放しました。

実際に始めてみると、ピュアな質問、辛辣で手厳しいコメントなどがいろいろと書き込まれるようになり、それが幹部の人たちの心にダイレクトに響いているんです。これは今、非常に良い効果を生んでいるのではないかと思っています。

このように、紙版とWeb版は対象読者と伝えるべきコンテンツが違いますので、どちらも目的に合わせてきちんと活用していきたいですね。

たとえば社長メッセージも、まずは速報性のあるWeb版で迅速に伝え、その後は紙版で現場の社員にもしっかりと伝えるなど、良い形で使い分けて進められているのではないかと思っています。

小山様:コロナ禍の状況が続き、在宅勤務する人が本社や支社を中心に増えてきているので、社内報にも、従来と違う役割が求められるのかもしれないと思っています。当社のような製造業にとって、紙版の社内報の必要性は変わりませんが、Web版で、今までと違うことができる可能性があるかもしれませんね。現時点ではまだ具体的にわからないので、これから探っていくことになると思います。

Q3 Web版の社内報には、どんな反応がありましたか?

小山様:Web版の社内報は、やはり動画や音声でメッセージを伝えられることの効果を実感します。今年から社長メッセージを動画でも配信しているのですが、やはり社長が動いて生の声でしゃべっているところを見たり聞いたりできると、インパクトと説得力が非常に大きいんだなと。広報の自分もそう感じましたし、社員の反応も大きかったです。

 

コメント欄に社長へのメッセージが書き込まれると、広報から社長に「返信をお願いします」と依頼する前に、社長が自分で返信を書き込んでくれていて、担当者としてありがたかったし手ごたえを感じました。このときの社長メッセージは、若手に対して働くことの意味を伝える内容でしたが、コメント欄に若手がコメントを寄せ、社長がそれにコメントを返し、さらにそのやりとりを見た中堅社員もコメントを書き込んでいて、オープンな会話のやりとりが展開されていました。

コメント欄への書き込みでは個人は特定されませんが、「社員たちはこんなふうに考えているんだ」と分かったのは広報としても収穫でしたし、この双方向的な仕組みを採り入れて良かったなと思います。

JFEスチールの思いが届く社内報として、社外広報にも活用

Q4 紙版のリニューアル後、評判や反応はいかがでしたか?

俵様:リニューアル号は2019年の3・4月号でしたが、パッと見たときの印象が一変して、とにかく驚きました。

小山様:インパクトがありましたね。読み手の社員たちにとっては、2カ月に1回配られる社内報のリニューアルはそれほど意識されていなかったかもしれませんが、一つひとつの企画にはかなり反応があったと思います。

例えば、ぶりき缶の特集をしたのですが、わが社の鉄が使われていて、生活に身近で誰もが知っている商品を大きな特集で取り上げたことは、私が広報の担当になって以来、10年間であまりなかったんです。

わが社の鉄が「有名ブランドの高級チョコレートの缶やお茶の缶に使われていますよ」などと紹介されていると、「自分たちの会社が社会の役に立っていると目に見えて分かって、うれしい」と反響がありました。

JFEスチールで作っている鉄が、BtoBで世の中を支えていることは知っていても、実際どういうところで使われているかというのは、やはり日常的には認識しにくいんですね。だからこそ、そういったことが分かるとうれしいし、皆そういうことを知りたがっていたんだなと再認識しました。

Q5 社外でも社内報を積極的に活用されているとうかがいましたが、その狙いや意図は?

俵様:そうですね。例えば、「心躍るぶりき缶の世界」という特集では、当社の缶用鋼板が具体的にどんな会社に納入されて、どのように使われているかを説明しているので、営業活動や取材時の説明にも使えるなと思いました。

単なる製品カタログとは違って、社内報では最終製品である、すずめっきのぶりき缶ができるまで、どんな部署の人たちがどう関わったのかという工程をていねいに伝えられます。いろいろなシーンで使えそうな情報を含んでいるところが、この巻頭特集のミソかなと思います。

小山様:社内の人たちに取材をする際は、その部署に本来の業務外の負担をかけてしまうので恐縮なのですが、バックナンバーで他部署の記事を見てもらうと、「こんな風に紹介してもらったら、説明用ツールとしても使えるんだな」と感心したり納得されたりすることがあります。「その通りです!どんどん営業に使ってください」と話しています。

社員が魅力的に思うプロジェクトストーリーのような記事であれば、お客様やお取引先様にも響くと思うので、「誰にとっても魅力的な記事をつくっていこう」という流れや空気が、社内で共有されつつあるように思います。

取材現場に行くと、自分の職場でPRしたいことや、「こう書くと良いんじゃないか」という提案など、前向きに取材に協力してもらえるような土壌がどんどんできている感覚があって、うれしいですね。

Q6 社内報の編集方針として、重視していることを教えてください。

俵様:紙版の社内報のリニューアルでは、巻頭の特集企画を大きく変えました。リニューアル号の次の号では、日本から送られた自動車用鋼板がタイでめっき加工され、さらに物流・営業と、エンドユーザーのお客様まで一本のラインがずっとつながっていて、その鉄を使った車が世界中で走っているんだということを、誌面で見せました。

このような企画をした理由は、社内報を通して、現場の社員が製品を出荷して「自分の手を離れたら、仕事はおしまい」ではなく、「大きい会社のなかでは自分の職場や仕事は一部分にすぎないかもしれないけど、会社全体にとって欠かせない一部なんですよ」ということを伝えたいからですし、自分の職場と仕事に誇りを持ってもらいたいからです。
社内報の制作にあたっては、そういう想いと編集方針で進めています。

小山様:皆がこのJFEスチールという会社で「働いて良かったな」と思えるような情報を発信していくことは、社内報の大きな役割だと思っています。

社員構成が多様化しているなか、一人ひとりの価値観や、それぞれの立場や家庭環境などを尊重しながら、エンゲージメント向上につながる社内広報活動を行っていきたいですね。

社員一人ひとりに、広報部員としてJFEスチールの魅力を伝えてもらいたい

Q7 広報活動を通じて、目指していきたいビジョンはありますか。

小山様:現時点では個人的な願望ですが、情報を発信するだけでなく、実際にどうすればより働きやすい環境になるのか、話し合ったり行動に移したりするためのきっかけをつくれたら、と考えています。そういうリアルなところまで踏み込んでいけたら、より良い会社になるのではないかと。社内報の全体的なレベルアップを実現できた今だからこう思うようになったのかもしれませんが、情報を出して満足しているだけではなくて、何かプラスアルファを考えていかないといけないのかなと思い始めたところです。

福利厚生や制度の面を担う人事部門、経営課題を仕事に落とし込む経営企画部門などと同様に、社内広報も社内のエンゲージメントを高めるミッションを持っています。そうした他部署との連携をさらに深めて、社員がより働きやすく、会社全体としてのアウトプットを高められるような取り組みに部署横断的につなげていくために、情報発信から一歩進んだリアルな何かをやっていけたらと。

まだまだ課題も多いのですが、こんな話や、ちょっとした勉強をする会を人事部門の有志と始めていて、まずは仲間を増やしていこうと思っています。

俵様:先ほども「誇り」の話をしましたが、達成したいビジョンとして「誰もが誇れるJFEスチール」というスローガンがあります。最終的には、社員全員が対外的に会社をPRできる広報部員のようになったらいいと考えています。

そのための一案として、ハンドブックのようなマニュアルを作ることも考えましたが、最終的には紙版やWeb版の社内報をきっちりと作って発信することや、小山がお話ししたように、いろいろな部署を巻き込んでいくことが、まずやるべきことかなと感じています。

Q8 最後に、広報業務・社内報制作のパートナーとしてのりえぞんについて、どうお感じですか。

俵様:2016年から制作を担当していただいているWeb版の評判が非常に良かったので、紙版の社内報も当社のやりたいことを理解してくれ、親身に相談に乗ってくれ、信頼感もあるりえぞんさんにお願いしたいと思いました。営業担当の方も、当社への熱い想いをぶつけてくれつつ、冷静な分析を踏まえたリニューアルを提案してくれました。

紙版リニューアルにあたって、私たちが意図した「現場の社員たちの心に響くように、よりエモーショナルに」という点を、最初の1年間できちんと体現してもらったと思います。特にリニューアル後の2号目は、タイの人達の温かさが伝わる表紙の写真と、キャッチコピーの「It’s JFE Pride ~鉄、タイへ行く。~」には、本当にぐっときました(笑)。

写真、文章、デザインなど技術的なパフォーマンスは最高ですし、スケジュール管理や予算管理などのベースもしっかりしているので、非常に助かり、感謝しています。

小山様:社内の取材と言っても、会社の規模がある程度大きいと部署によって状況が全然違いますので、いろいろとご面倒をおかけすることもありますが、スムーズに対応してもらっています。

また、私たちは社内の方を向いて動いてしまいがちな面がどうしてもありますが、メディアのプロとして、客観的なバランスを備えた誌面作成についてアドバイスしてもらっています。ぜひ今後も同じチームとしてお世話になりたいと思います。

JFEスチール 総務部 広報室の皆さま

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