社内報コラム

【読まれる見出しの基礎知識3】 見出しの目的と役割を理解しよう

【読まれる見出しの基礎知識3】 見出しの目的と役割を理解しよう

見出しに関するお悩みを解決することを目的に、社内報の見出しの考え方やつくり方の概要だけではなく、考えるタイミングや理解しておくべき役割、見出しをつくるテクニック、見出しの見せ方などについて、じっくり全7回にわけてお伝えしています。

今回はその中でも特に重要な「見出しの目的と役割」についてお伝えしていきます。

 

見出しの良し悪しが判断できないのは目的の考え方にある

これまでの記事でもお伝えしてきましたが、見出しの目的は「情報と読者の関係を築く」ことです。

この目的を認識せずに、書籍やWeb検索によって得られる情報を頼ろうとすると、あらゆるテクニックに紐づく考え方に翻弄されて、見出しのつくり方だけでなく、つくった見出しが良いものかどうかもわからない状態が延々と続いてしまいます。

一方で、「情報と読者の関係を築く」という見出しの目的をしっかり認識していると、読者である社員の皆さまが何を価値としてその情報を読むのか、メリットやベネフィットは何かを意識しながら見出しをつくることができます。

また、見出しをチェックするときに、「この見出しは情報と読者の関係を築けているか?」と見返すことができ、見出しの良し悪しを判断する基準にできたり、改善のヒントを得られたりします。そして、「もう少ししっかりした関係を築こう」とか、「もう少し魅力的な書き方にしてみよう」と改善するときには、書籍やWeb検索によって得たテクニカルなノウハウが活きてきます。

まず社内報としての見出しの目的をしっかり認識した上で、必要なときに必要に応じてノウハウを調べると、見出しづくりに関するお悩みが解決でき、スキルが高まっていきます。

見出しの目的に関する情報の矛盾

次に、「情報と読者の関係を築く」の意味についてお伝えしていきます。

まず、改めてお伝えしたいのは、見出しづくりの「目的」に関するさまざまな情報は、そのほとんどが「目的」ではなく「役割」にとどまっている点です。

たとえば、「内容の要点を短い言葉にまとめること」とか、「情報を読者に端的に伝わるようにすること」という情報に触れられたことはないでしょうか?

ところが、この説明には矛盾があります。

そもそも見出しとは、情報が読者に伝わるようにするための「手段」ですので、「情報が読者に伝わるようにする」手段をとる目的が「情報が読者に伝わるようにすること」ではおかしいことが理解できると思います。

また、見出しは「情報を読者に関係づけること」という考え方を、見たり聞いたりしたことはないでしょうか?これは目的として成り立っているように感じますし、実際に、この視点に立った考え方で記されているノウハウも多いのではないでしょか。

ただこの考え方は、社内報の見出しづくりの観点では、目的としては十分ではなく、むしろ目的を実現する役割の一つと考えられます。


「情報を読者に関係づける」の裏側には、「読者はその情報に求めている」または「読者はその情報を求める可能性が高い」という伝える情報に対するニーズがある前提が含まれているのです。

 

ところが、社内報は雑誌やブログ記事とは異なり、取り扱う情報のテーマやその範囲が、読者のニーズと直接関連していないものもたくさんあります。そのため、社内報の見出しの目的を「情報を読者に関係づける」という読者側のニーズにフォーカスする考え方は、役割としては重要なのですが、目的としては不十分です。

これらの考え方に対して、「情報と読者の関係を築く」という考え方は、読者のニーズに関わらず情報と関係する読者のニーズをつくり出す発想に紐づいています。つまり、どのようにすれば情報と読者との間に関係をつくり出すことができるのか、情報を社員一人ひとりに「必要」な情報と直感的に感じ取ってもらうためにはどうすれば良いのか考えるのです。 

「情報と読者の関係を築く」ための見出しの役割

社内報の見出しの役割とは主に

1.記事の内容を読者に端的に伝える

2.記事への興味や関心を生み出して本文に導く

3.大きなテーマを複数の小さなテーマに区分けする

4.情報の捉え方や正しい見方、理解の方向を示唆する

5.伝えるべき情報を読者にとっての必要性に関係づける

の5つです。

先ほどお伝えした「情報を読者に端的に伝える」、「情報を読者に関係づける」は、実はいずれも目的ではなく、「情報と読者の関係を築く」ための役割です。それぞれの役割について説明します。

1.記事の内容を読者に端的に伝える

見出しには、その記事のテーマや伝える目的、内容を、読者が見た瞬間にイメージできる役割を果たす必要があります。

2.記事への興味や関心を生み出して本文に導く

この役割は読者がその見出しを目にしたときに、その記事の内容がイメージできるだけではなく、同時に読者がその記事に対して興味や関心を持つことができたり、「読んでみよう」と思ってもらうことを示しています。

3.大きなテーマを複数の小さなテーマに区分けする

これは見出しのなかでも特に「中見出し」や「小見出し」と関係しています。中見出しは、読者に記事の内容や記事で伝えようとしている要点を表現し、小見出しはさらにそれを分割・分類し、本文を読まなくても読者と記事との距離感を縮める役割を担っています。

このような見出しこごとの役割については、次回詳しく掘り下げてご紹介します。

4.情報の捉え方や正しい見方、理解の方向を示唆する

さて、次に4についてですが、実はこの点が最も重要なポイントとなります。

なぜなら、情報は伝え方によって意味や価値も大きく異なり、その結果として読者の理解に違いが生まれるからです。

どのような違いが生まれるのかを具体例をあげて説明してみます。

 

事実「売上高の長期目標である1000億円を突破した」

 

「目指すゴールへ到達」
目標達成にフォーカスした見出し

「新しい未来のスタート」
目標達成の事実を新たな目標へのステップと考える見出し

「1000億円達成が示す次の未来」
長期目標のゴールを起点に未来へのステップを語る見出し

「1000億円達成で踏み出す新たな一歩」
今を起点に未来へのステップを語る見出し

「1000億円達成が示す新しい未来への挑戦」「1000億円達成を勇気にして未来を目指そう」
みんなで新たな未来へ心新たにチャレンジしようという意図を込めた見出し

 

「売上高の長期目標である1000億円を突破した」ことが紛れもない事実であっても、見出しでは「目指すゴールへ到達」や「新しい未来のスタート」と表現できます。いずれも事実を伝えるものになっていますが、前者は「目標達成」にフォーカスした記事の見出し、後者は「目標達成」の事実を新たな目標へのステップとして語る記事の見出しとなります。

また、新たな目標へのステップを語る見出しでも、「1000億円達成が示す次の未来」と表現すると長期目標のゴールを起点に未来へのステップを語る記事であること示し、「1000億円達成で踏み出す新たな一歩」とすると、今を起点に未来へのステップを語る記事を示します。

さらに、みんなで新たな未来へ心新たにチャレンジしようという意図を込める場合は、「1000億円達成が示す新しい未来への挑戦」や「1000億円達成を勇気にして未来を目指そう」という見出しにもなり、それぞれ文章の書き振りはもちろん、誌面に掲載する情報やコメントしていただく人選も異なってくることが想像できるのではないでしょうか。

つまり、見出しは「内容を端的に伝える」ことや「読者の興味や関心を惹く」ことだけではなく、その記事を読者にどのような意味として伝えることが極めて重要なのです。この「情報の捉え方や正しい見方、理解の方向を示唆する」役割は、単に「読まれる」以前の「正しい情報を正しく伝える」点においても、決して見逃してはいけない役割となります。

5.伝えるべき情報を読者にとっての必要性に関係づける

これは2の役割と似ているように感じられるかもしれませんが、2は読者が見出しに触れた瞬間、記事の内容になんとなく惹きつけられるというニュアンスに対して、この5の役割は読者に「自分ごと」として認識してもらえるようにすることを示しています。見出しで示されている記事の内容が、「自分にとってなくてはならない情報だ」「しっかり読んでおくべき内容だ」と社員の皆さまに自分ごととして伝わらなくてはなりません。

これは非常に奥深いポイントとなりますので、改めて次回以降の記事で詳しく掘り下げていきます。

まとめ

今回の記事では、社内報の記事の見出しをつくるときに押さえておくべき、見出しの「目的」と、その目的に紐づく「役割」についてお伝えしました。次回からは見出しのつくり方や見せ方など、読まれる社内報にするための見出しづくりのノウハウについてお伝えしていきます。

 

→合わせて読みたいおすすめ記事はこちら

■【社内報担当者のキホン】読まれる見出しのつけ方

関連記事