社内報コラム

【コロナ時代の社内報】マンネリ解消と役割についても紹介

【コロナ時代の社内報】マンネリ解消と役割についても紹介

今回の記事では、社会的な変化やクライシスの中で進化してきた社内報のあり方をふまえ、今後の社内報の役割やリニューアルのポイントについてお伝えします。

新型コロナウイルスの感染予防や終息に向けて長期的な対応が求められ、勤務形態や仕事の進め方が大きく変わるなか、社内報制作についても、これまでと異なる考え方で対応することが必要です。このような大きな社会的変化や変革は、社内報を抜本的に見直したり、刷新したりするチャンスとも言えるのです。

社内報リニューアルのチャンス到来

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、働き方はもちろん、社員どうしのコミュニケーションの方法が一新されました。担当者としては、これまで続けてきた企画をそのまま進めることができず、企画を取り下げるべきかなど、対応に苦慮されているのではないでしょうか。

また、これまで当たり前のように行っていたコミュニケーションが難しくなり、社員の皆さまからは「不安を解消できる会社からの情報が欲しい」「社員どうしのつながりをもっと感じたい」というニーズや思いが高まっています。その思いを受けて、社内報をもっとみんなのために活かしたいというご担当者も多いと思います。

これまでと同じように社内報をつくることが難しく、その一方で社員の皆さまの社内報に対する潜在的なニーズは高まっている今の状況こそ、マンネリの解消や、もっと読まれる社内報にするために、決して逃してはいけないチャンスなのです。

社内報の役割や立ち位置が大きく変わる

社内報のリニューアルは本来、経営方針の刷新など各社のタイミングによるもので、共通のトレンドがあるものではないと考えられがちですが、実際は、社会の動きに対して会社の経営が共通して変化するのと同じように、一斉に取り掛かるタイミングがあります。それは、今回のように社会的な変革が急速に進んだり、経済的なインパクトによって、人の価値観が大きく変わるできごとと、ほぼ一致しています。

たとえば2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災。また、2014年に国会に提出された女性活躍に関する法案や、2015年のSDGsから2017年のGPIFの動きによって加速しはじめたESG経営も、企業や人の価値観を変える大きなできごととなり、社内報に新たなトレンドが生まれるタイミングでした。
このように、2008年、2011年、2014年、2017年と、会社や人の価値観を変えるできごとは不思議なことに3年ごとに訪れ、社内報についても、多くの会社がこのタイミングでリニューアルしてきたのです。

そして、2017年の3年後である2020年。まさに今、社内報は再び大きく変化する時期を迎えたのです。

「不安の解消」だけがポイントではない

さて、ここからはwith/アフターコロナの社内報のリニューアルのポイントについて考えていきます。

現在の状況から、今後については下記のように考えられます。

  • 新しい生活様式に基づく働き方は継続する
  • 社会や経済の先行きが不透明な状況が継続する
  • ESGへの社会的要望が一層高まる可能性が高い

1と2を受けて、まずは社員の皆さまの「不安の解消」が第一に上がると思います。

しかし、「不安の解消」は、今時点の問題解決であり、社内報のリニューアルを考えるときは、短期的な視点だけではなく、中長期的な視点を加える必要があります

また、社内報は危機的な状況に対して、マネジメントラインに沿ったタテのコミュニケーションに寄与することはもちろんですが、ヨコやナナメの多面的なコミュニケーションによって、社員の一体感づくりやエンゲージメントの向上に寄与するといった考え方も必要となります。

こうした、タテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションの実現によって、全社員がOne Teamとなる状況を生み出し、みんなで未来に向けて前進していくことが、社内報の本来の役割であり、改めて現状に合わせて見直すということが、リニューアルの意味でもあります。

社内コミュニケーションで考慮すべき思考のクセ

さらに、社内コミュニケーションの活性化の点で押さえておきたいポイントに「正常性バイアス」という考え方があります。正常性バイアスとは、危機的な状況において「私は大丈夫」と考える思考のことで、災害時においては「逃げ遅れ」の原因と言われています。

現状に対して正常性バイアスがかかっている状態では、自分にとって都合が悪い情報は無視してしまい、組織に対してさまざまな悪影響を生み出すとされています。不安を正確に把握している人は、自分にとって都合が悪い情報でも正確に受け取り、どうすれば良いのかと考えたり、相談したりします。

つまり、社員の不安の解消に加えて、正常性バイアスの影響を意識することは、今後のより良い社内コミュニケーションについて考える上で非常に重要なポイントとなるのです。

withコロナの視点の社内報3つのポイント

では、先ほどの3つの状況や社員の不安解消、正常性バイアスの影響を考慮に入れながら、改めて今後の社内報で取り扱うテーマを考えるポイントを以下3つに整理します。

POINT

  • 現状に対する正しい見方と、それに基づく歩み方を共有する
  • 未来を拓くチャレンジと、その裏側にある努力や思いを共有する
  • 新しい生活様式のなかで快適に過ごす工夫やノウハウを共有する
1.現状に対する正しい見方と歩み方を共有

これまでのようにトップメッセージや経営方針の解説などの企画で行います。ただし、一方的に方針や意向を伝えるのではなく、まずは自社にとって今がどのような状況なのかを、新型コロナウイルスの影響という短期的な視点と、経営計画の目標達成やESGの実現といった中長期的な視点の両面で伝えます。そして、その現状に対して、どのように進んでいくのか、そのために社員一人ひとりにどのような考えや行動、どのように歩むべきかを、力強く、何度も繰り返し伝え、正常性バイアスの打破と未来に向けた不安の解消を図ります

2.未来を拓くチャレンジと、努力や思いを共有

これは、会社のさまざまの現場の取り組みを、さまざまな切り口で紹介することになります。今までとの違いは、成果ではなく、「行動」に焦点をあてるということです。

これまでにも増して未来に向けた不確実性が高まっている今こそ、みんなで「未来」を切り拓いているという認識や印象を生み出すことが大切です。しかし、これまでの社内報の多くは、現場の取り組みを取り上げる際、無意識に得られた「成果」で検討していました。けれども成果は結果である以上、掲載する情報がどうしても過去のことに絞られます。また、多くの人に光をあてたいと思っても、掲載の可否を成果で考えている限り、どうしても輝かしい成果にかかわる一部の人にしか光をあてることができません。

その点、「行動」に焦点をあてると、まだ始まったばかりのプロジェクトでも、プロジェクトのゴールや、ゴールに向けた思い、現時点の取り組みなど「未来」を描くことができ、多くの取り組みが掲載対象となります。

まずは「成果」ではなく、「行動」で掲載する取り組み検討する切り口へのリニューアルを考えてみましょう。

3.新しい生活様式で快適に過ごす工夫やノウハウを共有

最後に3についてですが、まさにこれこそが社内報のチカラが発揮されるポイントです。

人の暮らし方が一変した今、働き方についても日常の生活についても、誰もが初心者です。こんな状況だからこそ、仕事の新しい効率化の方法や日々のちょっとした気づきや発見、工夫などを社員同士で広く共有することは、たくさんの社員の快適に役立つとともに、組織の垣根をこえた社員同士のつながりや絆を生み出すきっかけにもなります。

今後、不安の解消に加えて、れまで以上の全社的な一体感や結束力が必要性が高まることが想定されます。それをマネジメントライン上で行うことは難しく、当面は全社参加型イベントが行えないなかで、社内報こそがその役割を担える立ち位置にあるのです。

まとめ

先の見通しが立たないこのような状況ではありますが、お伝えしました通り、裏を返すとこれまでの社内報の内容を、今後の状況を想定しながら全般的に見直す絶好の機会だとも考えられます。

先行き不透明ななかで、社内報をリニューアルするリスクを感じておられるご担当者もいらっしゃると思いますが、そんな時だからこそ、社内報としては正しい情報を正しく伝えることはもちろん、同じく先行き不透明ななかで日々頑張っている社員の皆さまにとって、「今」と「これから」に役立つ社内報づくりを目指していただきたいと思います。

特にこれまでの社内報にマンネリを感じていたり、社員の皆さまにあまり読まれていないといったお悩みをお持ちのご担当者は、是非このタイミングを生かしてマンネリの打破や、もっと読まれる社内報づくりを目指してみてください。

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