経営方針やトップメッセージの伝え方

Concept of building success foundation. Women hand put wooden bl

こんな経営方針やトップメッセージの記事は読まれない

以前お伝えした社内報の改善に向けた指標の例として、現在のレベルを見定めた上で目標とするレベルを設定するというお話をお伝えしましたが、この記事ではまずレベル1から2にするための課題や施策についてお伝えしてまいります。

社内報のレベル1とレベル2との間には、経営方針やトップメッセージの掲載といった違いがあります。

そこで、今回の記事では経営方針やトップメッセージの掲載方法についてお伝えしたいと思います。

なお、社内報に経営方針やトップメッセージを掲載されている会社は非常に多いと思いますので、レベルアップといった点のみならず、今回の記事では社内報への経営方針やトップメッセージの掲載に関する問題意識やお悩みをお持ちの方のお役にも立てる情報としてお伝えしてまいります。

また、全体像を俯瞰した上で個別の論点についてお伝えして方がわかりやすいかと思いますので、まずは経営方針やトップメッセージの掲載に関する要点をまとめてお伝えしたいと思います。いずれも詳しくは後ほどお伝えしますので、ここではまずは要点をまとめて理解してください。

まず、読まれない経営方針やトップメッセージの典型的な例は
・毎回文型がバラバラ
・別のツールからの焼き直し
・表や図の多用

ほかにも色々とあるとは思いますが、これらの3つについては絶対にやってはいけないこととして考えておくことをお勧めします。

これらについて詳しく説明していくにあたって、なぜやってはいけないかを長々と書いてもその理由がわかるだけで、実際の業務や改善のお役に立ちづらいと思いますので、少し視点を切り替えたいと思います。

もうすでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、毎回文型がバラバラ、別のツールからの焼き直し、表や図の多用について、実は裏を返せば「やった方が良いこと」になるわけです。

つまり、
・毎回の文型を共通化する
・社内報オリジナルの切り口で掲載する
・表や図の多用を控える
といった3つのポイントを押さえることで、経営方針やトップメッセージは伝わりやすくなります。

なかでも一つ目の「毎回の文型を共通化する」という点は最も重要なポイントですので、この点を切り口として他の2点についてもお伝えします。

経営方針やトップメッセージで用いる文型

まずは「文型」についての説明にあたり、学生の頃に学んだ「SV」や「SVC」、「SVO」、「SVOO」、「SVOC」といった英語の5文型を思い出してください。

第1文型:SV(SはVする)
第2文型:SVC(S は Cである)
第3文型:SVO(SはOをVする)
第4文型:SVOO(SはO(人)にO(物・事)をVする)
第5文型:SVOC(SはOがCであるのを~する、SはOがCするのを~する)

この中で社内報に掲載する経営方針の記事やトップメッセージは第5文型の「SVOC」を用います。

Sはもちろん経営者です。

そしてOが社員の皆さまとなります。

つまり、経営方針の記事やトップメッセージでは主語は常に経営者となりますので、経営者である「私」が社員の皆さまに対してCであることを望んだり期待したり、経営者である「私」は社員の皆さまがCすることを望んだり期待したりするという流れになります。

いずれも「私」である経営者は社員の皆さまに何らかの望みや期待を持つわけで、社員の皆さまからするとその記事からは何を望まれたり期待されているのかを読み取ります。

もちろん第4文型のSVOOを用いて、「私」は、社員の皆さまに実践することを望んだり期待したりするとしても悪くはないのですが、社員の皆さまに焦点をあてるとともに、社員の皆さまが何をすることを望んだり期待しているのかを示す必要があるため、SVOCの文型で「私は、社員の皆さまが○○をすることを期待しています」といった文型を基本形することで、読者である社員の皆さまは受け身ではなく、主体的に何に取り組むべきかを認識したり判断できるようになるわけです。

次に、その基本文型を元にさまざまな要素を加えて記事にするのですが、トップメッセージを例にどのような流れで記すことが効果的かについてお伝えします。

まず、基本文型を踏まえて前号を発行した時期から現在までの動きと、いくつかの重点テーマに関する結果や評価を語っていただきます。

その後、その間で起こった、経営者として認識している事業環境の変化について語っていただき、長期ビジョンや中期経営計画、その他の課題との関係の経営者としての認識を示していただきます。

そして、それらをもとに対応すべき課題をポイントを絞って明確に伝え、その課題に向けて社員一人ひとりがどのような姿勢で取り組むべきか、あるいはどのような考え方や意識を持って取り組むべきかを語り、最後に社員に対する期待を語って締めていただきます。

この流れで記事を作成すると、1年に4回発行している会社は四半期ごとの、毎月発行している会社は毎月の変化を全社員の共通認識として持つことができ、そのためにどのような姿勢でどのように取り組んでいけば良いかを、全社員がその都度確認しながら日々の業務に取り組んでいけるようになります。

社内報オリジナルの切り口で掲載する

経営方針の記事やトップメッセージを「SVOC」で記そうとすると、必然的に社内報オリジナルの文章になるので問題ないのですが、これを意識せずに他のツールで掲載したトップメッセージを社内報用にリライトしたことが明らかな表現にすると、非常に危険な結果につながる可能性があります。

どういうことかと言いますと、他のツールからの転記の場合、読者である社員の皆さまにとって経営者の言葉を理解できたとしても、自分たちに向けて語られているようには感じないため心には届かず、遠い雲の上の誰かが何かを話しているといった印象や、語られている内容が自分以外の誰かに語られているように感じたりするため、逆効果となる可能性があります。

これを防ぐためには繰り返しになりますが、SVOCの文型に立ち返ることが第一なのですが、どうしても他のツールからの転用をせざるを得ない場合は、SVOCにすることが難しいと思います。

そこで、社内報らしい表現として「Q&A」方式にするという手があります。

つまり架空の社員を設定して、その社員が経営者に対して質問するといった流れで、元の文章を再構成することで、経営者と社員の距離が縮まり、経営方針やトップメッセージが社員の皆さまに届きやすくなります。

さらに、先ほど架空の社員を設定してと申しましたが、この架空の社員をキャラクターに置き換えて、そのキャラクターが質問をするという手を使うと、見た目にも親しみやすくなるので、経営者にインタビューしたり原稿執筆を依頼することができない場合は、こういった手を検討することをお勧めします。

図や表の多用を避ける

経営方針の記事について、投資家向けの説明会用のスライドや中期経営計画を取りまとめたパワーポイントの資料を再構成して掲載している社内報をよく見かけます。
図や表は重要なポイントに目線を誘導するために1〜3点程度を、重要度をもとに大きさの差をつけて掲載するには問題ないのですが、誌面が図や表だらけだと、非常に読みづらく、わかりづらい記事になってしまいます。
また、表はある情報と情報の関係を示したり、その全体像を整理した状態で伝える手法なのですが、表の中が文字だらけだと、非常に読みづらかったり理解しづらく、伝えるべきが伝わらないという逆効果につながる可能性があります。
そして、何より大切なことは、情報を対象に合わせて絞ること。
経営方針については全ての情報が重要なために、限りある誌面に全ての情報、またはできるだけ多くの情報を掲載しようとして、ギュウギュウに詰まった誌面にしてしまいがちだと思いますが、これでは誰も読んで理解しようとは思いません。
このような重要な情報は、社内報担当者という情報の編集を担う立場として、その情報をしっかり読み取り、咀嚼して、何を伝えるべきかではなく「何が伝われば良いのか」という視点に立ち返り、少しでもそれを阻害する可能性のある情報や表現はザクザク切り捨てて、本当に必要な情報だけに絞り、その情報を引き立てる役割、つまり伝わるために必要な情報や要素を汲み上げて、誌面を設計するという流れで記事を作成することをお勧めします。

今回の記事では、いわば社内報としての第一歩である経営方針の記事づくりやトップメッセージの掲載方法についてお伝えしました。

ご興味やご参考になると感じていただけた方は、ぜひご活用ください。

りえぞん企画では企画立案はもちろん企画を立てるコツについてもお手伝いさせていただいております。
お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちらから。

  • Genre:社内広報ラボ