今日から試せる社内報編集の「切り口」の話5

Finding solution. Solving puzzle on wooden desk.

グループ会社がたくさんある会社の場合

さて、ここまに「たくさんの事業を展開している会社」や「ひとつの事業をたくさんの拠点で展開している会社」を例に、職場紹介を題材に切り口についてお伝えしてきましたが、最後に「グループ会社がたくさんある会社」を例にあげてお伝えします。

まずはおさらいですが、「たくさんの事業を展開している会社」の場合は、それぞれの事業が取り扱っている製品やサービスを軸に、仕事の内容や人をいかに紹介するかについて考え、「ひとつの事業をたくさんの拠点で展開している会社」については、職能で分けられた職場とエリアが異なる拠点を、同じコーナーの中でどのように伝えるかについて考えてきました。

最後となる「グループ会社がたくさんある会社」については、上記の2つの例を融合したような考え方が必要になってくるのですが、それに加えて、例えばグループ会社が100以上ある場合、仮に年間12号発行している社内報でも、全てのグループ会社を紹介しようとすると、単純計算で9年も必要になってきます。

伝え方の前に紹介する順番を決めるための切り口が必要

ですので、グループ会社がたくさんある会社の最大の問題は、部署はもちろん、無数にあって、しかも年々増加したり統廃合をしたりと変化する状況に対して、紹介する順番をどうやって決めるかということが課題となります。

そこで切り口です。

つまり、グループ会社がたくさんある会社において、伝え方の切り口を考える前に、紹介する順番を決めるための切り口が必要となるわけです。

例えば、グループ会社の数が年々増加傾向にある場合は、新たにグループに加わった会社を紹介するという切り口も考えられます。

とは言え、これまでからあるグループ会社も紹介する必要もある場合がほとんどかと思いますので、この点について掘り下げてお伝えしていこうと思います。

そこでまず、状況を整理します。

グループ会社の数が多い
グループ会社の事業内容やグループ内での役割も多岐にわたる
本社の部署も多岐にわたる
グループ会社も大小さまざま
グループ会社内にもさまざまな職場が存在する
社内報の発行目的としてグループの一体感の醸成を図るとある

このほかにもグループの関係や連携が強い会社もあれば、コングロマリット経営として、それぞれのグループが独立した事業を展開している会社もあると思います。

このような状況に対して、どの職場をどのように紹介すれば良いのか、非常に悩ましいところです。

けれども、グループとして存在している限りは、経営理念や創業の精神をはじめ、ひとつのブランドとして社会と関係し合っているという点においては、全てのグループは「思い」や「姿勢」という点では共通しているのではないでしょうか。

掲載対象や掲載順を社内報全体を見渡して考える

そこで考えるべきは、職場紹介という一点を見つめるのではなく、社内報全体を見渡して何をするかということだと思います。

例えば特集では経営ビジョンや中期経営計画など、グループとしての経営方針を伝えたり、社会に大きな影響を与えたプロジェクトを伝えたり、あるいはグループとして認識、理解しておくべきことを伝えたりすると思います。

また、グループ内にある卓越した技術や先進的な取り組みなどについても、特集やその他のコーナーで取り上げているのではないでしょうか。

そのほかにもさまざまな意図やねらいを持つコーナーを用意されていると思いますが、それらのコーナーにはいずれも、社員に知っておいて欲しい会社の今の姿や、受け継ぐべき考え方、グループとして目指す方向と、それに対する意思や姿勢などが含まれていると思います。

こうして社内報全体を見渡した上で職場紹介をどうするか、どのような部署を優先的に紹介していくかを考えると、例えばあまり表には出てこないけど、グループ全体を縁の下で支えている部署や、あるいはグループのブランド価値を高めるために努力や工夫をしている部署といった、日常的にはあまり目立たないけれども、なくてはならない部署をピックアップするという切り口が見えてきます。

さらに、グループ内においても、中核的な立ち位置ではなかったり、あるいは先進的な技術やサービスを提供しているわけではない会社も存在すると思いますが、会社がグループの一員として仲間に加えている意図には重要な意味やメッセージが含まれているということをとらえると、そうしたグループ会社の紹介を通じて、グループのあり方や考え方を全グループ社員に伝える良い機会になると考えられます。

また、そうした部署やグループ会社を、社内報を通じて全グループ社員に伝えることは、社内報をつくる側にとっても、グループ全体やグループも含めた会社の経営についての理解が深まり、社内報をより良いものへと成長させるきっかけになることは間違いないと思います。

「社内報だからできること」はたくさんある

社内報はどうしても花形のスタープレーヤーや先駆者的なリードオフマンに焦点をあてがちなのですが、スタープレーヤーやリードオフマンは社内報以外のツールでも紹介される機会が多いことを考えると、社内報は社内報だからこそできることややるべきことがたくさんあると思います。

少し話が逸れてしまいましたが、グループ会社がたくさんある会社の職場紹介は、このように「縁の下のチカラ持ち」を紹介することをコンセプトに、それらの部署やグループ会社でがんばる人たちに焦点をあてて、グループの一員としての誇りや使命感などを語っていただくという切り口が、グループの全社員にとってかけがえのない情報や考え方、仲間意識の向上につながっていくのではないかと考えます。

「切り口」を考えるとは「モノの見方」を考えること

さて、ここまで職場紹介を題材に「切り口」についてお話してまいりましたが、いかがでしたか?

長々とお伝えしてきましたが、ここまでお読みいただいた方のなかには、改めて「切り口」とは何かという答えがわからなくなったとおっしゃる方もいらっしゃるかと思います。

そこで、最後に私なりの答えをお伝えしておきます。

それはズバリ、伝えるべき情報と社員とをつなぐための「モノの見方」のことです。

通常、伝えるべき情報は人によってとらえ方が異なります。

しかもその情報は、他のさまざまな情報と関係し合っていったり、無秩序に存在していたりします。

その情報を、いかに社員と関係づけるか、社員に必要性を感じてもらうかということに加えて、いかにわかりやすく、興味深く伝えるかを考えながら、こうすれば上手く伝わるんじゃないかという発想でスパッと切り取ってみる。

これが切り口です。

伝わるコツは伝える相手が関心を示す切り口を選ぶこと

例えば、「スマホとは何か」を伝えることを想像してみてください。

ある人は「いろいろな便利機能を持った携帯電話」と言います。この場合は「進化した携帯電話」という切り口でスマホを説明しています。

別の人は「電話というよりもアプリでいろいろな加工が楽しめるデジタルカメラ」と言います。この場合は「写真加工を楽しめるデジカメ」という切り口でスマホを説明しています。

さらに別の人は「便利なアプリをダウンロードしてスケジュールや名刺の管理などが瞬時にできるポケットサイズのデバイス」と言います。この場合は「ビジネスの生産性を向上させるデバイス」という切り口でスマホを説明しています。

あるいは「電話機能とカメラ機能を切り口にしつつも、多種多様なサービスの開発や、たくさんのスタートアップ企業を生み出したインキュベーション空間」と、ツールの機能的な説明ではなく、どのような存在かという考え方でスマホを説明することも可能で、これはスマホを「社会を進化させるツール」という切り口で説明していると言えます。

こう考えると、先ほど「切り口」とは何かについて「モノの見方」とお伝えしましたが、切り口を考える目的や大切さとは、情報を正確かつ興味深く伝えるばかりでなく、伝える相手の興味や関心を捉えて、その相手が役に立ったと感じるようにするために、情報に価値や意味を持たせることではないかと考えられます。

そう考えると、「切り口」を考えるということは、社内報づくりにおいて最も重要な仕事のひとつだと感じるのではないでしょうか。

と言うことで、最後にお伝えしました通り、「切り口」という言葉に着目していただくことで、会社や社員の皆さまにとって、より良い社内報をつくるきっかけになると思い、「切り口」については、大変長々とお伝えしてまいりました。

もちろん「切り口」を考えることの他にも、社内報づくりにとって大切なノウハウやスキルはたくさんありますので、これからもできる限り余すことなくお伝えしてまいりますので、ぜひご期待ください!

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