今日から試せる社内報編集の「切り口」の話 その1

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社内報づくりでは
毎号異なるテーマを取り上げる特集の企画などで
悩まれている方は多いと思いますが、
それらよりも最も悩ましく、誰にも相談しづらいのが
伝え方の「切り口」ではないですか?

いや、これについて「全然悩んだことがない」という方は要注意!

実は、この「切り口」という言葉。

編集のプロである雑誌編集者やライターなども
一番アタマを悩ますポイントなのです。

なぜかと言うと雑誌編集者やライターは
切り口次第で売れるかどうか、読まれるかどうかが決まるからです。

社内報もしかりです。
読まれる社内報にできるかどうかは「切り口」にかかっていると言っても
過言ではないのです。

ですので、
「ワクワク社内報ラボ」では
今回の記事以外でもこの「切り口」について触れ続けていきたいと思います。

さて、では「切り口」とは何なのか。

誤解を恐れずにザクっと言ってしまうと「視点」のことです。

少し例え話をもとに「切り口」のイメージと効果について説明します。

社内報制作フローを例に少しイメージしてみてください。

昔々、あるところに超優秀なベテラン社内報担当者がいました。

その担当者は毎号、
企画を立て、原稿を作成し、デザインを行なって校正し、校了して
社内報を滞りなく発行していました。

しかもこの担当者は真面目で努力家なので
社内報に必要な業務に対して、これまで必死になってスキルを高め、
それぞれの業務がどうすればもっと効率化できるかを考え抜いた結果、
それぞれの業務の生産性を最大化することに成功したのです。

ところが、その担当者は上司から突然
「残業を減らしなさい」と言われたのです。

真面目な担当者は困ってしまいました。

決して仕事ができないわけではなく、
これまであらゆる努力と工夫によって
生産性を最大化してきたこの担当者は
上司のあまりにも理不尽な要求に納得ができず、
「ご存知のように、もうこれ以上効率化することは不可能」、
「人を増やすか外注するかしか手がない」と上司に訴えました。

上司は真面目な担当者の涙で満ちた目に一瞬ひるみながらも
「経費を抑えるために残業を減らすんだから人を増やしたり外注したりするのは不可能」
と切り返しました。

その担当者は生産性はもちろん、
内容やクオリティーについても改善し続けてきたて
読者からの反応も少しずつですが確実に向上させてきたので
突然、ページ数を減らしたりクオリティーを落としたりするのは
本末転倒だと考えます。

もう八方塞がり、四面楚歌。
どこをどう改善すれば良いか、答えが全く見つからず、頭を抱え込んでしまいました。

と、さすがはこの担当者。

「そうか、視点を変えて業務を見てみよう」
つまり新たな「切り口」で業務を見ることで何か解決策が見つかるのではと考えたのです。

そこで担当者は気づきました。

それぞれの業務についてスキルを高め、効率化と高品質化を進めてきたけど
それって「部分最適」ではなかったか・・・

そう考えて社内報制作に関する全工程を書き出して改善を試みました。

担当者は「全体最適」で業務フローや個々の業務の見直しを図ったのです。

そして、業務の「内容」や「流れ」の中で、
どこでどんなことに時間を使っているかを調べてみると、
デザインに時間がかかっていることがわかりました。

これまでは原稿を作成して、
デザイナーにそれを渡してデザインを作っていたけれども
なかなか思い通りにならず、デザイナーと何度も打ち合わせしながら
デザインを何度も作り変えていたんです。

そこで担当者は
デザイナーとのコミュニケーションや
デザインを依頼をしてから上がってくるまでのリードタイムに着眼し、
「デザイナーは依頼を受けてから作成するまで」に何か問題があるのではと仮説を立て
デザイナーにヒアリングしてみたのです。

するとデザイナーも真面目な努力家で、
原稿の内容をしっかり読み込むことはもちろん、
その原稿で何を伝えたいのか、
何が伝わればゴールなのかを必死に考えていました。

これらは口頭はもちろん企画書も用いて説明していたはずなのですが、
デザイナーはそれを持ち帰ってから、口頭の説明や企画書、原稿をしっかり読み込み、
この企画や原稿で読者に感じ取って欲しいメッセージ対して
どのような配置や配色が効果的かを考えてデザイン作っていた
ということがわかったのです。

そこで担当者は考えました。
「デザインは企画と近い方が良いんじゃないか」と。

よくよく考えると、
誌面に載せる要素や文字量をこちらで決めてしまっていたけど、
それらによってデザインが大きく左右されてしまう。

デザイナーはなんとか望まれているイメージにしようと悪戦苦闘し、
結果として時間がかかってしまった挙句、
望んでいたイメージとは異なるものが上がってきていた。

さらに担当者は考えを進めます。

ならば企画段階でデザインを相談して依頼すれば
誌面に載せる要素や文字量に縛られることなく
イメージに近いデザインを作ってくれ流のではないか。

もし最初のデザインがイメージしてたものと違っていたり、
誌面に載せる要素と文字量を少し変更したいとしても
原稿を作成している間にデザインを修正してくれるのではないか。

担当者はこの考え方をもとに、新たな業務フローに切り替えることによって
これまでよりも業務時間を2割減らすことに成功し、
デザイナーへの修正の依頼回数も減ったので、
デザイナーの業務時間も減らすことに成功したのでした。

めでたし、めでたし。

いかがでしたでしょうか?

「切り口」は最適なものを見つけると
いろんな問題を解決してくれるのですが、
社内報の編集についても
魅力的な「切り口」を用いることで
伝えたいことが伝わりやすく、
さらには同じテーマでも切り口を変えたり、
いまどきの話題などをもとにした新鮮な切り口にすることで
これまでとは異なる人に響く記事にすることができたり
より深く伝わったりするのです。

ちなみに今回のお話での切り口の例は
業務を「部分最適」から「全体最適」という切り口で見直し、
見直しのポイントを「内容」から「流れ」へと切り口を変えたこと、
さらには問題の着眼点を
「自分の業務の進め方」から「相手の業務の進め方」へと切り口を変えたこと、
そして、デザインを「配置の仕事」から「企画の仕事」として切り口を変えたこと
があげられます。

あと、
今回のこの記事についても
ある「切り口」を取り入れていまして、
それは何かと言いますと、
切り口の意味と効果を「解説」ではなく「例文」で紹介したり、
例文を「社内報らしい話題」で記すのではなく
もう少し親しみやすい「昔話風」という切り口を取り入れてみたのでした。

ということで、
社内報の企画を立てたり情報を編集したり、原稿を執筆する際には
どんな切り口ならより伝わりやすいか、
より読まれやすいかということをぜひ考えることが
読まれる社内報をつくる上でものすごく大切なことなのですが、
一方で、巧みな切り口で記事をつくることができると
読者からの反応が飛躍的に伸びるということにもなるので
社内報を考えるときに最もやりがいや楽しさを感じることができる部分でもあります。

そこで、ぜひそのやりがいや楽しさを得られるスキルを習得していただきたく
これから全4話に分けて実例をあげながら
切り口の考え方についてお伝えしていこうと思います!
ぜひ併せてお目通しくださいませ。

では!

  • 2019/10/07
  • Genre:社内広報ラボ