社内報の最適なコーナーの分け方について

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会社の大量かつ多種多様な情報を社員に伝える

社内報で社員に伝える情報の量や種類は非常に多く、限られた人数や発行回数、ページ数でそれらを全て伝え切るには限界があります。さらに、たとえWebなどのツールも活用して全てを発信しても、そのような大量の情報の全てを全社員が確実に読んで理解するということは限りなく不可能に近いと思います。

そこで、本当に必要な情報に絞り込んで伝えようとしても、どれが必要な情報なのかを判断することも容易ではないと思います。

そんな時にお勧めなのが、伝えるべき情報をテーマで分類して伝えるということなのですが、他社の社内報を参考にするといったことや、Webを検索して自社の社内報に適したテーマの決め方を指南してくれるサイトを見つけるということも、社内報の場合はそのような外部情報が非常に少ないツールですので、どのようにテーマを分類するかについて、なかなか最適な答えが見つからないのではないでしょうか。

コーナーの設定は会社の状態や状況を考えて決める

では、テーマの決め方に全く基準がないかというと、そんなことはありません。例えば、一般的な社内報の例を挙げると、表紙、目次、トップメッセージ、特集、職場紹介、技術解説、新制度や決算などの紹介、家族関連情報、ニュースといったコーナー設定となっています。なかには社員間のコミュニケーションを活性化する意図で、趣味や好きなことをテーマに数名の社員にコメントしていただくコーナーを設けたり、中途採用の社員が多い会社は、毎号中途社員の紹介ページを設けていたりします。

これだけで考えると、表紙が1ページ、目次が1ページ、トップメッセージが2ページ、特集が5ページ、職場紹介が2ページ、技術解説が2ページ、新制度や決算などの紹介が1ページ、家族関連情報が1ページ、ニュースが5ページで、合計20ページの社内報ができあがりますので、まだテーマを設定せずに、全体的にニュース冊子のようになっている社内報の改善を図る場合は、まずここからスタートしても良いかと思います。

ただ、ページ数が予算やキャパシティの関係で16ページや12ページが限界だといった場合は、それぞれのニュースを端的に表現して、もう少しページを圧縮したり、特集を1〜2ページほど減らしたり、目次を表紙に掲載するなどといった工夫をすれば問題ないかと思います。

けれども、社内報はこのような定型的な枠組みで作るよりも、会社の状況や状態、さまざまな事情を汲み取って、本当に伝えるべき情報は何かを考えた上で設定することが望ましく、今回の記事では会社ごとの状況や状態、事情を4つの例に分けて、1冊を20ページで作ることを例にして、最適なコーナー設定についてお伝えします。

社員数が1000人規模のメーカーさまの場合

社員数が1000人規模のメーカーさまの場合は、事業の種類もそれほど多くない場合が多く、また、技術系や工場勤務の社員が多いと思いますので、当面はWebを活用した社内広報は難しいと思います。組織形態としては職能型と申しますか、営業部、開発部、生産部といったように機能で分かれている場合が多く、社内のコミュニケーションについて、いかに職能間の垣根を越えて、情報や意識の共有を図ったり、一体感を生み出すかといったことが課題として挙げられます。

このような場合は、さまざまな現場の動きを全社的に伝えて、みんなが何をしているのかを共有することが軸になるため、社内報としてはニュース型の社内報になります。

そこで、表紙に目次を載せて1ページ、最初の見開き(2ページ)でトップメッセージ、続いて特集を5ページ組み、新製品や新技術とそれに関わる人たちの紹介や、展示会などの販促活動の紹介、海外展開をされている会社はグローバルの現状に加えて、年始号などでは社員のコミュニケーション活性化に寄与する社員投稿型や全社アンケート型、あるいは春に発行する号には会社に新鮮な空気を送り込む新入社員紹介をテーマとして取り上げます。

続いて、新制度や全社員が知っておくべきコンプライアンスなどの情報を扱うコーナーを1ページ、本社部門や間接部門の仕事や人を伝える職場紹介を2ページ、技術者の技に焦点をあてるコーナーを2ページ組み、会社のオフィシャルニュースを4ページ、各現場の活動紹介を2ページ、最後に健康に関するお役立ちコラムコーナーを1ページといった展開はいかがでしょうか。

全国にお店を展開している店舗系の会社の場合

スーパーマーケットや飲食店、アパレル、生活雑貨など、全国に店舗を展開している会社の事情は多種多様にあると思いますので、一律にこうすべきという方法はないのですが、共通していることは、生活者の皆さまと直接関わるお仕事をされていることにあると思います。
また、それぞれの店舗が一つひとつの職場となりますので、エリアマネージャーなどを除けば、普段は他の店舗と交流することも少ないと思います。さらにはアルバイトやパート従業員が多数在籍していることも共通点ではないでしょうか。

このような会社の場合、最も重要なことは自社「らしさ」といった点を、全店舗の社員が認識し、体現することにあります。

これは、店舗を運営している会社はもちろんですが、全国にきめ細かく営業所を展開しているメーカーの場合も同様かと思います。

そこで社内報で重要なテーマとなるのが、会社の理念を起点に仕事に対する姿勢や意識づくりをすることになります。

これらを伝える際のポイントは、トップが意思や思いをもって、一人ひとりに語りかけるようにすることですので、社内報の導入は表紙と目次の後にすぐ、トップメッセージを2ページ用意します。次に3ページほどの特集を組んで、自社らしさを強調するマナーの解説や、新たに取り扱うことになったブランドや主力商品の紹介、飲食チェーンの場合や自社ブランドを取り扱っている会社の場合はその開発ストーリー、CSR活動を積極的に行っている会社の場合はその取り組みをはじめ、季節イベントなどを行っている会社の場合はその取り組みと成果や結果、関係者の紹介などをテーマとして取り扱います。

そして、連載コーナーとしては新店舗の紹介を通じてその地域、店長の意気込みの紹介を2ページ、全社的なニュースを2ページ、地域や店舗ごとのインストアマーチャンダイジングの事例紹介を2ページ、毎号テーマを設定した社員投稿型コミュニケーションコーナーを2ページ、店舗内のコミュニケーションに焦点をあてた店舗紹介を1ページの合計15ページ加えて、バイヤーのお気に入り商品の紹介や、若手の頑張りを伝える記事、本社部門の職場紹介、サポート制度や福利厚生を紹介するページ、社員自ら投稿が可能な掲示板コーナーなどを設けます。

営業メンバーの比率が高い会社の場合

営業メンバーの比率が高く、社員が常に外に出ているような事業を行っている会社の場合や主力事業としてシステム開発などを行っている会社は、社員の頑張りやモチベーションアップをねらうテーマを切り口を変えて複数用意することが効果的です。これは先ほどの店舗系の会社にも使える内容ですので、そういった会社の社内報づくりをご担当されている方もぜひ参考にしていただけると嬉しいです。

このような会社では、トップメッセージで全社の方針や課題の共有を図り、結果を出しているエース級の社員や、周囲に好影響を与えている社員のパーソナリティー、失敗談とそこからの学びや気づき紹介、家族とのコミュニケーション、社員イベント記事、本社部門の活動、新制度やコンプライアンスに関する情報をテーマとして取り扱います。
ただ、全国にきめ細かく営業所を展開している会社の場合は、年間を通じて各営業所の市場活動やメンバー間のコミュニケーション活動などを紹介することも大切。
なかには本社部門や開発系部門、生産系の部門に所属する人たちは一定規模の人数が所属する職場にいる一方で、営業メンバーや販売メンバーは営業所や販売店、各地の百貨店やショッピングモールの販売ブースに細かく分かれて業務をされているといった会社もあると思いますが、こういった会社の場合も上記のような人に焦点をあてたテーマを重点化しながら、同時に店舗系の会社のように「らしさ」を醸成していくテーマや切り口も必要になってきます。

また、同様にタテ方向のコミュニケーションはマネジメントラインやマニュアル、あるいはクレドなどで成り立っていることに対して、職能間の連帯といった点では、他部門が何をしているか、どんな人たちがどんな思いで働いているかを知らない、あるいは意識もしていないといったことが起こりかねない場合が多く、こういった場合は社内報がこれを補う役割を担う必要があります。このような問題や課題に対しては、冒頭でお伝えした1000人規模のメーカーのようなテーマの設定も重要になります。

そこで、全体のテーマ構成としては、表紙と目次、トップメッセージを掲載した上で、社会課題や組織運営上の新たな取り組みなどを特集として3〜5ページほど組み、エース社員などに焦点をあてたコーナー、本社系の職場の紹介、自社製品の解説と開発関係者紹介、生産部門のトピックスを計5〜7ページ、営業所トピックスを4ページ、営業所の新設や全社的なニュースを4ページ、制度活用やコンプライアンス、健康づくりをテーマにしたコーナーを1ページといった感じで1冊にまとめます。

社員数が多く全国や世界中に広く展開している会社の場合

業界を代表するような事業規模が大きく、多くの社員やグループ会社を擁している会社の場合、社員に伝えるべき情報は膨大になるため、紙の社内報だけではなく、Webなども活用した社内広報活動をしている会社が多いかと思います。

このような会社は、規模や展開している範囲が広いがゆえに、社員が会社の全体像や今の姿をとらえきれなかったり、業務の専業化が進んだ結果、他の部門や部署はもちろん、隣の席の人が何をしているかがわからないといった問題がおこりがちです。

さらには会社に勤めている社員自身よりも、家族や知人の方が会社のことを新聞やテレビで見聞きしてよく知っていたりすることや、その逆で知名度は高いにもかかわらず、周囲の人が何をしている会社なのか知らないので社員に聞くものの、社員自身も会社の全体像を正確に答えられないということも起こります。

つまり、端的にいうと社員が自分自身が勤めている会社のことを知らないといった問題が社内広報上の最大の問題となる場合が多いです。

そこで社内報は紙とWebを両立したり、さらにはグループ報も発行して、そういった問題が起こらないように、自社に対する理解を促したり、自社への愛着や誇りを醸成することに取り組んだりします。

このような会社の場合、通常はすでに一定のレベルとページ数、発行頻度で社内報が作られていると思いますので20ページでどうするかといった観点を省きますが、課題としては、多岐に渡る情報をいかに適時適切に伝えるかということと、会社の全体像や躍動感、自社らしさ、経営ビジョンや経営計画における全社的かつ組織的な重点課題について、一人ひとりが自分ごととしてとらえられるように伝えること、全社あるいはグループとしての一体感づくりをとらえたテーマ設定が必要となります。

これらを踏まえてニュース記事や各職場の活動報告についてはWebに移行し、紙の社内報やグループ報では、自社について再理解、再認識できる情報に焦点をあてて編成します。

特に経営ビジョンや経営計画は、市場における優位性をいかに築いて実現するかということはもちろんですが、同時に社会課題と事業との関係をテーマに、自社の現在地とこれからの道筋を語ることが重要で、こうした点を特集として、ページ数を大きく割り当てて伝えます。

もちろんトップの意思を伝えることでグループの共通課題の理解や共通意識の醸成を図りますので、トップメッセージは必須となります。

その他、グループ間連携やグローバル展開での成果など、会社のダイナミズムを伝えることを目的とするコーナーの設定や、ESG経営、CSR活動、ダイバーシティやインクルージョン、健康経営、働き方改革や生産性改革、AIやIoTなどの新テクノロジーへの対応と進捗、コンプライアンス、各事業の方針や取り組みなど、すでに書ききれないくらいのテーマが存在します。

そこで大切なことは、全部を伝えるのではなく、一定の意図を持って絞るということです。これは大規模な会社だけではなく、社内報という限られたスペースや発行頻度の中で、効果を最大化するために非常に重要な考え方で、この記事だけでご理解いただくことは難しいかと思いますが、この記事のまとめとしてお伝えしたいと思います。

まずは社内報によってどんな効果が生まれれば良いのかを絞る

今回の記事では会社の状況や状態、事情によってテーマ設定が変わるというお話のもと、いろいろなテーマ構成のパターンをご紹介しました。

そして、最後に紹介した会社の末尾に「一定の意図を持って伝えるテーマを絞る」と申しましたが、これはこういった会社だけではなく、全ての会社の社内報づくりに言えることですので、もう少し具体的にお伝えしますと、テーマの設定に向けて検討する意図とは、発行目的のような社内報のゴールをイメージして設定するといった、社内報の存在意義を考えるということではなく、毎号発行後の効果として、読者である社員の皆さまが共通して、社内報を読んでどのような体感を得ていただくと良いかを考えるということで、これを読後感と言います。

例えば、社内報を読むことで改めて自社について「良い会社だ」と再認識することをねらったり、「ウチの会社ってすごい」といった感覚を生み出したり、「自分も頑張ろう」といった意欲に火をつけたりと、ねらう読後感は会社の状況や状態、事情によってさまざまですが、少なくともまずは、読後感という読者に持って欲しい体感を一つに絞ってテーマを設定することで、社内報は社員の皆さまにとって意味あるツールとして命が吹き込まれるのです。

社内報のリニューアルをお考えの方や、テーマ設定に疑問をお持ちの方は、是非今回の記事を参考に、社員の皆さまがどんな体感を得る社内報にしたいかを考え、それを起点に自社の事情を整理して、限られたページ数をどう活用するかをご検討ください。

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