新年度に向けた社内報の改善の指標について

Up the career ladder overcoming challenges

社内報の改善に役立つ資料は少ない

社内報の大きな特性の一つが継続的かつ定期的に発行し続けるということがあげられます。

もちろん、例えば株主通信のように四半期や半期で定期的に発行するツールや、CSR報告書や統合報告書、アニュアルレポートのように1年ごとに定期的に発行するツールや、3年ごとや5年を目処に刷新する会社案内や入社案内などのツールもあります。

これらのツールはいずれも掲載する内容や表現について、毎年の見直しはもちろん、場合によっては根本的な考え方も含めて定期的に刷新を図ったり、あるいは時代や社会の要請に応えるべく、趣旨や構成を変えたりするなど、より一層の効果や価値の向上に向けて常に改善改良を、計画的に行って作成していると思います。

社内報もまた、これらのツールと同じように、毎年の見直しや改善改良は行っていると思います。

ただ、CSR報告書や統合レポートのようなツールの改善改良と、社内報の改善改良には大きな差があります。

それは、社内報は社内向けのツールのため、他の広報ツールと比較すると、参考にできる情報が極めて少ないことではないでしょうか。

冊子版の社内報はもちろんですが、Web社内報や動画による社内報となると、外部からはほとんど情報が得られないと思いますし、例え外部セミナーなどに参加して勉強をしたり、他社の社内報担当者との交流によって情報交換を行っても、いざ自社の社内報に向き合うと、何をどのように改善すれば良いかについてどうしても見当がつかず、結果として手が付けられないまま、次年度の会社のイベントなどを参考に特集テーマだけを考えて終わってしまうといった方も多いと思います。

アンケートから読み取れること、読み取れないこと

もちろん号ごとや年に一度、読者アンケートを行って読者である社員の皆さまのご意見を得るという方法をとっている会社も多いかと思います。

読者アンケートの質問項目は通常、アンケート取得の目的によって各社さまざまだと思いますが、社員の皆さまにお忙しい中でお答えいただくために、「どの程度読んだか」といった質問や「興味があった記事、興味がなかった記事はどれか」といった質問のような、質問内容が理解しやすく、すぐに判断できる答えやすい内容に留めざるを得なく、このアンケート結果からは読まれている度合いと、どの記事が読まれていて、どの記事が読まれていないのかといった範囲の傾向しか読み取れず、次年度に向けた改善や改良の判断基準を読み取ることは非常に難しいのではないでしょうか。

改善のための判断指標について

そこでまず、読者アンケートの結果については社員の皆さまからお寄せいただく重要なご意見としながらも、それだけを改善改良のための拠り所とするのではなく、現在発行している社内報がどのレベルにあるのかについて見定め、どのレベルを目指すのかを設定して、その間にある問題や課題を整理することから手をつけることをお勧めしたいと思います。

もちろん、現在のレベルについても目指すレベルについても、いずれも客観的な指標は存在していないことが社内報特有の事情として、改善改良のための具体策を見出す大きなネックになっていることは否めないのですが、ここで当社としての経験則ではございますが、一定の判断指標としてお使いいただけるアイデアをご提供いたします。

もちろんレベルを測るためには、社内報としてのゴールと申しますか、会社の事情に左右されない各社共通の目的や効果が必要だと思います。

例えばコーポレートブランドであれば、現在のレベルや目指すレベルの判断指標として「認知数」や「認知度」などがそれにあたり、アンケート調査の実施などでその効果を見定めたり、そのレベルを判断して新たな認知度向上のための施策を検討することが可能ですし、その一つの手として広告を打つのであれば、今度は「視聴者数」や「露出度」などがレベルを判断する一定の判断指標として成立し、費用対効果を見定めながら打ち手を増やす工夫を検討するといったことが可能となります。

このような、レベルを判断する一定の判断指標として社内報の場合は、もちろん第一に「閲読数」があげられますが、例えたくさんの社員の皆さまに読まれているからといっても、掲載した情報のテーマや内容はもちろん、その情報の伝わり方に問題や課題があれば、効果や価値といった点では最適な改善改良は実施できません。

現在のレベルと改善を通じて目指すレベル

では、それらは自社の社内報のレベルについて適切に見定めて、目指すべきレベルとの間にどのような問題や課題があるかを見出すための指標の例をお伝えしたいと思います。

レベル1:会社からの告知事項や、全社あるいは各現場の取り組みやイベントが紹介されている
レベル2:レベル1の情報に加えて、経営方針やトップのメッセージが紹介されている
レベル3:レベル2の情報に対して読みやすくしたり読みたくなるようにするためにデザインを工夫している
レベル4:掲載する情報をテーマで予め分類し、それぞれを連載コーナーとして区分けして掲載している
レベル5:それぞれのコーナーに魅力的なタイトルをつけたり趣旨に合わせたデザインにしたり工夫している
レベル6:それぞれの記事に読者を惹きつける大見出しや小見出しを工夫している
レベル7:毎号、冊子全体の3〜4割程度のページを特集に割いている
レベル8:寄稿にとどまらず取材など現場に足を運んで得た情報をもとにした記事を掲載している
レベル9:適切な情報伝達やコミュニケーションの活性化を主題としてWebなど複数のツールを積極的に活用している
レベル10:経営方針や長期ビジョンの実現と密接に関係した戦略的な社内広報活動を実践している

改善のための判断指標はまだまだたくさんある

判断指標としてはこのほかにも、掲載している情報のテーマの内容や範囲、掲載方法としての切り口の魅力やレベル、1年の間に社内報に登場していただいた社員の皆さまの人数、実際に現場に足を運んで情報を得た頻度、現場の視点を色濃く反映するための広報(編集)委員会の設置や活性レベルといった観点、掲載している情報の鮮度や精度など、「どれだけ読まれていたか」「何が読まれていたか」に併せて検討したい大切かつ活用しやすい指標はまだまだほかにもたくさんあります。

是非これらをご参考に、より良い社内報づくりに向けた改善策を立てていただければと思います。

なお、それぞれのレベルの間にある問題や課題とその解決に向けたプランや、当記事の最後に記しました数々の指標について是非ご活用いただきたく、また、年間計画の立て方も含めて改めていくつかの記事に分けて、それぞれをもう少し掘り下げてお伝えして参りますので、是非そちらの記事もご覧いただき、ご参考にしていただければ嬉しく思います。

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