社内報の特集の比率とテーマの決め方

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社内報の「顔」である特集は全体の3〜4割

今回の記事では、読まれる社内報にするための重要なポイントである特集についてお伝えします。

会社によっては特集を掲載していなかったり、たまに掲載するけど毎回は掲載していないなどさまざまですが、特集を掲載することは会社として重要な情報を社員の皆さまに伝えるという意図としてはもちろん、読まれていなかった社内報を読まれる社内報にするための必須テーマであり、毎号オリジナル記事として届ける特集は、いわばその時々の社内報の「顔」だと考えて、しっかり取り入れることをおすすめします。

さて、では特集はどのくらいのボリュームが最適かという点についてですが、一般的には3〜4割とされています。その理由はさまざまですが、仮に冊子全体を20ページで組んでいる社内報の特集が2ページ(全体1割)だとすると、読者である社員の皆さまからは特集という認識が得られず、他の連載コーナーの一部として読み飛ばされてしまう可能性があります。

こうした他のコーナーと同等量、またはニュース記事などよりもページ数が少ない場合は、通常は特集とは呼ばず、連載コーナーに対して「単発コーナー」や「トピックス」といった扱いになり、社内報においては他のコーナーに最も埋もれてしまいやすい記事となります。

ところが、冊子全体が20ページで組まれている社内報の3〜4割、つまり6〜8ページ程度の特集の場合はどうでしょうか。それだけのページ数を割いて掲載されている記事を作るには、記事のテーマや意図、内容、デザインをしっかりと考えて作らないといけないため、結果として一定のダイナミックさや深みのある記事になります。

もちろんしっかりと考えて作ってこその効果ではありますが、そのようにして作られた特集記事に対しては社員も注目したり共感したり、社内報に対する期待値が高まるようになります。

業務としては企画を立てたり、それだけの量の記事の原稿を作成しないといけないので、業務負荷が大きく、非効率に感じたりもするかもしれないのですが、たとえそれだけのページ数の特集を組まなかったとしても、同量のページ数分の記事やデザインを、バラバラのスケジュールをもとに作成しないといけないので、ひとつのテーマでしっかり取り組む特集の方が、読者への効果としても業務負荷としても意義があると思います。

むしろ、それだけのページ数を特集に充てるとなった際に頭を悩ますことは、残りの限られたページ数で伝えるべき情報を全て伝えられるかということと、毎号たくさんのページ数の特集を成り立たせるだけのテーマがわからないといったことではないでしょうか。

社内報の特集と連載コーナーのテーマの分け方

そこで、特集とその他の連載コーナーの組み合わせ方と、その考え方についてお伝えします。基本的には発行目的や編集方針をもとに、社内報を通じて社員の皆さまに何を伝えるのかを検討しますが、その前に、特集の役割と連載コーナーの役割の違いについてお伝えします。

特集は通常、長期ビジョンや中期経営計画など、全社員の経営方針に対する理解を促すことや、経営理念や社是の浸透、コーポレートブランドの認知と理解、企業文化の醸成、安全に対する意識の向上など、組織の垣根を越えた全社的な共通認識の根付かせ、全社員の意識や行動に関係するテーマを通じて社内コミュニケーションの方向性の示唆などを目的としたテーマを選定して、それらのテーマをもとに毎号変化を加えることで、社内報が常に新鮮な情報を提供しているツールだといった印象を醸し出します。

それに対して連載コーナーは、経営者の意思や思いを伝えるトップメッセージを皮切りに、職場紹介やグループ会社紹介、技術や製品と関係者の紹介、社員のプライベートも含めた人となりの紹介といった社員どうしの相互理解を促し、つながりや絆、多様な価値観の理解や受容を生み出すテーマ、そして期間中の全社的なニュースや現場独自の活動報告、クラブやサークルの活動紹介といった、会社や現場、社員の活動を伝えるテーマ、ESG経営に関する仕組みや制度の紹介、CSR活動報告、産休育休や新しい働き方に関する制度活用紹介、会社のDNAやアイデンティティを育むための歴史紹介を通じた、会社の基盤に関する考え方や意識を醸成するテーマ、あるいは社員の結婚や出産、訃報といった社員と家族の慶弔、資格取得者の紹介や表彰者の紹介、さらには健康増進や、仕事に役立つビジネス知識、働き方改革を視野に入れた生産性向上のためのテクニックなど、社員の業務をサポートするテーマなどがあります。

このように連載コーナーは会社の現状や、現場の活動、社員間の相互的な理解や関係づくり、社員としてのマインドづくりといった、継続的に伝え続けることで価値があったり効果が生まれてくるテーマを取り扱います。

しかし、ご覧の通り社内報に掲載するテーマは多岐にわたるのですが、これを一冊の限られたページ数で全てを掲載することは不可能です。しかも、社員に伝えるべき情報や社員間で共有し合うべきテーマは、グローバル化や働く価値観の多様化などに伴って増加傾向にあります。

こうした状況を受けて、多くの会社では社内報に掲載する情報や伝え方についてはもちろん、Web活用なども視野に入れながら社内報の役割をはじめとする社内広報全体の戦略や計画を抜本的に見直す動きが活発化しています。

社内報の年間計画と1年間で取り上げる特集や連載コーナーのテーマの決め方

例え社内広報全体の戦略や計画を抜本的に見直すまでに至らないまでも、理想的には3ヶ年程度の期間において、社内広報をどう展開していくかといったビジョンや計画を描き、それをもとに向こう1年間の社内広報のアクションをどうするかを定めて、社内報としてもその役割やねらう効果をどうするかをもとに、発行回数をどうするか、ページ数をどうするか、連載コーナーをどうするかを考えながら、特集としては何をテーマに社員の皆さまにとってどのような効果を生み出すのかを、改めて検討することを強く推したいと思います。

ただし、これらは社内報担当者が考えるというよりも、社内報を発行している部署や部門全体、あるいは経営も含めた大きな観点で執り行う必要がある一方で、社内報の担当者としての必須課題になることが「年間計画」と「年間の特集テーマ」を考えることだと思いますので、ここではそれらと併せて、連載コーナーの再編を考えるための考え方や決め方についてお伝えしたいと思います。

まずは何よりも発行目的や編集方針を前提にします。ただ、発行目的や編集方針は通常、社内広報に関する全領域を対象にした抽象的な内容になっていると同時に、一定の普遍性で示されているといった性質となっているため、これをそのまま年間計画や年間の特集テーマ、連載コーナーの再編につなげることは効果的ではありません。

そこで、いくつかのアプローチで現在の社内報の改善点を見つけ出すとともに、長期ビジョンや中期経営計画の進捗、次年度の会社の動きとして計画されている活動やイベント、社会的な動きやイベント、経済やビジネスに関する潮流やトレンドなどを洗い出します。

まずは現在の社内報の改善点を見つけ出すアプローチの方法ですが、読者アンケートを取っている場合は、その集計をひとつの指針とします。

ただし、ここで注意すべきは読者アンケートのみを指針にした改善方針を立てないようにすることです。もちろん戦略的に計画された読者アンケートを定期的に実施して、定点観測されている場合は、非常に重要な指針とすべきですが、通常、読者アンケートによって得られる回答は、あくまでも目の前にある社内報の中身だけの意見で、決して全ての改善点を指摘しているものではないからです。

そこで読者アンケート以外の方法で社内報の改善点を見つける方法についてご紹介します。問題点や改善すべき点を見つけるためには三者の視点を入れると効果的だと言われていますが、これを社内報に置き換えると、一つ目は社内報を発行する主体である「会社の視点」です。この視点では、一つひとつの記事が現在の会社の問題や課題、実態に対して、社員の立場で見て効果があるのかどうかを見てみます。

そのポイントとしては、長期ビジョンや中期経営計画の進捗、次年度の会社の動きとして計画されている活動やイベント、社会的な動きやイベント、経済やビジネスに関する潮流やトレンドなど、社内外の情報を集めることにあり、これらを捉えて現在の社内報をチェックすると、一定の効果的な答えが出せると思います。

二つ目は「作り手の視点」です。これは社内報の制作担当者本人に加えて、関係しているライターやデザイナーなどの協力も得て、制作物としての品質向上を目指すといった観点と、現在の社内報のテーマや表現がしっかりと発行目的や編集方針に沿っているかどうかといった観点で見てみます。

そして三点目は「読者の視点」となります。読者アンケートもこの視点の範囲に入るのですが、それに加えて周囲の方の意見や、あるいは社内報担当者も一方では一人の社員ですので、そういった立ち位置で、現在の社内報は社員が貴重な時間を割いてまで読みたいとか、読む必要があると思える印象になっているかどうかを見てみます。

三点目について、社内報は比較する対象や参考にするもの極めて少なく、正確な答えは見つけづらいと思いますので、少しでもその手助けができればと思い、お届けしているさまざまな記事でこれらの観点をお伝えしてまいりますが、この記事では特集のデザインの範囲に絞って、改善点を見つけ出すいくつかのポイントをお伝えしたいと思います。

読まれる社内報にするための特集のデザイン

まず、特集のデザインは表紙と同様に、読者である社員の皆さまからは社内報の「顔」のような認識を持たれます。そういった点から、社員の皆さまに読まれるかどうかは、特集が大きく影響していると考える必要があります。

そこで、読まれる社内報にするための改善点を見つけ出すために、顔である特集のデザインが読者を惹きつける役割を果たしているかを確認するポイントをお伝えします。

情報の過不足を感じさせないページ数や情報量かどうか
ぺらぺらと見た時に興味を惹く写真や見出しがあるかどうか
ぺらぺらと見た時に興味を惹くメリハリのあるページ展開になっているかどうか
抵抗なく読み進められる文字のサイズや文字量になっているか
読むべき必要性や重要性の意図を感じる写真を用いているかどうか
親しみやすさや鋭さなど感情に訴えかける表現になっているかどうか
記事で伝えたいことについての方向性を踏まえた配色になっているかどうか
統一感やバリエーションを感じられるデザインになっているかどうか
古さや野暮ったさを感じない表現になっているかどうか
しっかり考えて創られている雰囲気が得られるかどうか

デザインの基本的な命題に「デザインは誰のものか」というものがありますが、この答えは社内報の場合は「デザインは読者である社員のもの」となり、上記の10のポイントはこの考えのもとに、専門的な知識や技術がなくても直感的に判断できるようにしており、これらをクリアすればきっと、もっと社員の皆さまに愛され、読み込まれる特集を実現することが可能になると思います。

今回の記事では、特集の比率やテーマ、連載コーナーのテーマに加えて、社内報のさらなる効果を目指して行う次年度以降の特集や連載コーナーのテーマの再検討についてお伝えしてまいりましたが、その実施にあたっては、読者アンケートのみから改善点を導き出すのではなく、三者視点での問題点や改善点を網羅的に見た上で課題を具体化し、先に記したような特集の役割や連載コーナーのテーマの例を参考にして、冊子全体の構成を見直すことをおすすめします。

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